第99代首相「菅義偉」を読み解く本人の言葉18選 素顔、原点、思想、信念、信条をどう語ってきたか

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⑬「沖縄県の米軍普天間基地の辺野古移設をどう考えているか」という質問に(15年10月取材)

菅:戦後70年が経った今も、沖縄には多くの米軍施設がある。それを少しでも軽減するのが私たちの役割。辺野古移設がきちんとできれば、普天間は閉鎖できて、基地は減る。それが目に見える形になる。継続的に住宅環境、自然環境にできる限り配慮して進めていくしかないと思っている。

⑭「元大阪府知事・大阪市長の橋下徹氏との交流は」という質問に(15年10月取材)

菅:私が自民党の選挙対策総局長だった07年、自民党の大阪選出の国会議員と大阪市議が、「労使一体で公務員天国を続けてきた大阪をぶち壊す。そのために大阪市長選挙に橋下さんを出したい」と言って連れてきた。大阪府知事になる前で、最初は市長選挙だった。

「橋下さんに会って口説いてくれ」と言われ、私は口説いた。ですが、芸能プロダクションに入っていたからだめで、橋下さんは断った。その後に、逆に大阪府知事選挙に出たいと言ってきた。私は高く評価している。改革意欲に富んでいて、捨て身で政治をやって実績を上げた。大阪での行政改革で、約束したことをやった。

⑮「憲法改正について、どう考えているか」という質問に(15年10月10日)

菅:国民次第です。自民党の立党以来の党是で、どの選挙でも「やる」と言っているけど、自民党だけでやれるとは思っていない。国民世論を深めていかなければ。そう簡単にできないと思う。

幹の部分の生産拠点を国内に戻すことが大事

⑯「コロナ危機に見舞われた後の政治は」という質問に(20年6月取材)

菅:今後はこれまでよりも強い経済を作っていかなければならない。その際に、例えばマスクも自動車の部品の根幹部も、ほとんど中国で作っているという問題がある。特定の国に依存せず、今後は幹の部分の生産拠点を国内に戻すことが大事だと、皆、身にしみてわかったと思う。必要なものについて、国内回帰できるようにするために補助金を出すといったことが重要になってくると思う。経済を強くする意味では、デジタル化、オンライン化も大事です。デジタル化によって、全国で社会が一挙に変わっていくでしょうね。

⑰「1年延期の東京オリンピックの開催の成否は」という質問に(20年6月取材)

菅:開催できると思っている。日本がコロナ対策をきちんとやって成功を収めるだけでなく、世界の人たちが出場できる環境を作らなければならない。

⑱「もし時間あれば、したいと思うことは」という質問に(14年2月取材)

菅:私は渓流釣りが本当はいちばん好きです。醍醐味というか、細い糸で、糸を切られないように大きい魚を釣るのは、なかなか面白い。太い糸だと、魚は食わないんですよ。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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