追い込まれる生コン産業、「コンクリートから人へ」でいよいよピンチ! 全国工場3割削減へ

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 標準的な生コン製造業者は年商4億~5億円、従業員は10人前後(下表参照)。東京都心にある大手セメント系生コン事業者でも年商は30億円、従業員30人にすぎない。

生コン製造業の誕生は戦後の49年。中小企業が多く、販売先は交渉力の強い大手建設会社になること、JIS基準の品質を確保するためなどから、生コン事業者が協同組合を作って販売量を割り当て、価格を統制することが独占禁止法の適用除外で認められている。各地区ごとに生コン事業者が協同組合を作り、協同組合が窓口になって建設会社などに販売する。販売価格も協同組合が決める。加盟している生コン事業者には生産・販売シェアを割り当てる。

地域ごとに販売価格 協同組合方式にヒビも

建設会社が積算の根拠とするのが財団法人が出す「建設物価」で、全国各地区の生コン販売価格を網羅している。生コンは地区の事情を色濃く反映する。販売価格は地区ごとに大きく異なっており、京都市と大分市では販売価格に2倍以上の差がある(下表参照)。道路一本隔てると、生コン価格が倍になるということも珍しくない。協同組合方式で価格の安定、平準化を図っているはずなのに、なぜこんなことが起きるのか。

「協同組合といっても事業者が結束している地域もあれば、有名無実化している地域もある。そうした地域は過当競争が起きて価格が低い」(広島県のある協同組合)という。

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