米最高裁判事死去が大統領選に与える「影響」 選挙戦中に訃報を知った大統領候補2人の反応

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バイデン氏は最高裁判所にも手短に言及し、医療費負担適正化法に対する法的な異議申し立てに関して、トランプ大統領は「最高裁判所で『既往症のある人の救済策を廃止せよ』と発言した」と指摘した。トランプ政権は最高裁判所に対して、同法の無効化を要求しており、大統領選挙の投票日から1週間後に口頭弁論が予定されている。

バイデン氏は、大忙しの1週間をこの演説で締めくくる形となった。これまで数カ月間、ほとんどデラウェア州にとどまり、聴衆を入れるイベントをほとんど行っていなかったバイデン氏は、激戦州に出向く回数を現在増やしているのだ。

「目に入っているのは株式市場だけ」

今週、バイデン氏はデラウェア州で2回演説し、フロリダ州に出向き、また出身地のペンシルヴェニア州スクラントン近くで開催されたCNNの討論会にも参加した。また16日には、機密情報のブリーフィングを受けた。バイデン陣営の担当者によると、民主党からの指名を受けて以来、今回が初めてのブリーフィングだったとのことだ。

CNNの討論会ではバイデン氏は今回の大統領選挙を「スクラントンとニューヨーク4番街の戦いのようなものだ」と説明し、また19日にはトランプ大統領は「株式市場と自身の再選にしか関心がない」との主張を続けた。

「4番街を見たトランプ大統領の目に入るのは、ウォール街だけだ」とバイデン氏は語った。「だからこそトランプ大統領は、ダウ平均株価という指標でしか、アメリカの繁栄を測ることができないのだ」。

トランプ大統領は今週、「株式は皆が持っているものだ」と発言したが、これは事実に反する。スクラントンとバイデン氏が子供の頃家族で引っ越したデラウェア州のクレーモントを引き合いに出し、バイデン氏はこの発言に反論した。

「トランプ大統領は、正確な表現は違うかもしれないが、誰でも株式を買えると発言した」とバイデン氏は指摘した。「だからこそトランプ大統領は株式市場を気にかけているというのだ。一体何を言っているのだろうか。スクラントンやクレーモントで私が一緒に育った人たちの中に、金を払って株式を保有している人などいない。稼いだお金は小銭まで、請求書の支払いや家族の養育に消えていっていた」。

その他にも、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、戦死したアメリカ兵に関する不適切発言の報道、譲渡所得税の減税の意向、それにインフラ計画の推進の失敗など、多くの論点に関して、バイデン氏はトランプ大統領を繰り返し攻撃した。

「大統領の職務をいかに全うすべきか、私にはわかっている」とバイデン氏は訴えた。「ドナルド・トランプ大統領は、いかに裕福であろうと、もししているならいくら納税申告書を改ざんして自身をより裕福に見せていようと、大統領の職務の務め方が全くわかっていない」。

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