米最高裁判事死去が大統領選に与える「影響」 選挙戦中に訃報を知った大統領候補2人の反応
2016年に大統領候補として民主党の指名を受けたヒラリー・クリントン氏について、個人サーバーから削除されたメールはヨガについてのものだったとクリントン氏は主張しているが、トランプ大統領は「彼女はそこまでヨガにハマってはいなかった」と指摘し、「もしヨガに熱中していてあの体型なら、金をドブに捨てているようなものだ」と語った。
それを受けて、トランプ大統領の支持者は「クリントンを牢屋に入れろ」という聞き古したスローガンを一斉に唱え、トランプ大統領は一切それを止めようとしなかった。
前回僅差で負けたミネソタ州
隣のウィスコンシン州などの多くの激戦州においてトランプ大統領が守りの姿勢を取る中、今回両候補が訪問したミネソタ州ではトランプ大統領が攻めの姿勢に出ている。2016年の選挙では、トランプ大統領はヒラリー・クリントン氏にわずか1.5%の差、数にすると約4万5000票の差で、ミネソタ州を落とした。今回トランプ陣営は、逆転できる可能性がある州として、ミネソタ州を重視している。
しかし、1972年のリチャード・ニクソン元大統領以降、ミネソタ州で共和党の大統領候補が勝利を収めたことはない。またバイデン氏は、ヒラリー・クリントン氏と比べても、ミネソタ州で大幅に有利に戦いを進めているようで、トランプ大統領が勝利するには支持集めに時間がなくなりつつある状況だ。『ニューヨーク・タイムズ』誌とシエナ大学が今月共同で実施した調査では、投票に行く可能性が高い層において、バイデン氏が9ポイントリードしている。
また、バイデン氏とトランプ大統領による今回のミネソタ州の訪問によって、両候補がパンデミック下の選挙活動に対して、大きく異なるアプローチを採用していることがまたもや明らかになった。トランプ大統領とは異なり、バイデン氏は選挙集会を開いておらず、演説も聴衆なしで行われた。
バイデン氏は演説の中で、自身が中流階級出身であることを武器に、トランプ大統領の就任後は億万長者が優遇されて懐を肥やす中、一般人はパンデミックが猛威を振るって苦しむ結果となった、との構図を描き出して、人々に寄り添う姿勢を強調した。
「皆さんの多くと同じように、私もドナルド・トランプ大統領のような人たちに見下される人生を長らく送ってきた。彼らは、汗水たらして生計を立てている人々を見下している」とバイデン氏は訴えた。「そのような人々が、私たちの子供たちの世話をし、私たちの通りを掃除してくれているのにも関わらずだ」
さらにバイデン氏は、「見下す人たちというのは、大金持ちだから、私を含めた周囲より自分たちは優位だと常に思ってきた人たちだ。親からとんでもない額を相続して、有り余る金を無駄遣いしているのだ」と付け加えた。