キリン・サントリー「強者連合」決裂の余波
両社の前期決算では、サントリーの営業利益率が5・3%に対し、キリンは5・6%。会計基準が異なり単純比較はできないが、世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブの24・9%(08年)とは大きく懸け離れている。
仮に統合していれば、過当競争に歯止めをかけて販促費抑制などに踏み切れたはずだ。
すでに縮小傾向の国内市場は閉塞感を強めており、数年前から再編を視野に入れた提携が進む。昨年はキリン・サントリーの行方を見守るメーカーが多かったが、破談を受けて両社を交えた再編が再び活発化する可能性は大きい。
「これまでのキリンともサントリーともまったく違う新しい会社を創る」。交渉を開始したばかりの昨年6月、佐治社長は高らかに語っていた。だがリスクを伴わない「理想論」だけでは、世界企業への新たな道は開けない。
(倉沢美左 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済10年2月20号)
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