「ドコモ口座問題」他人事とスルーする人の盲点 手口と犯人像を専門家が詳しく解説

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ドコモのホームページに掲載された報道発表資料(画像:週刊女性PRIME)

つまり、ドコモ口座を持っておらず、口座と連携している七十七銀行、中国銀行、大垣共立銀行、イオン銀行、ゆうちょ銀行などに預金がある方は要注意、不正出金がないかを確認することをお勧めします。

今、サイバー犯罪は増加の一途をたどっています。

警察庁の発表でも、令和元年のネットバンキングに係る不正送金の被害件数は1872件と過去最多で、被害額も前年度の4億円台から、一気に25億2100万円と大きく跳ね上がっています。

こうした不正送金では、送金する先の口座は別人のものです。それに、今は銀行での口座開設は、身分証による本人確認が徹底されており簡単にはできませんので、犯罪者らは銀行口座を金で買うなどして、送金先を手に入れます。

ですが、特殊詐欺への対策もあり、銀行口座を入手するのも困難な時代。そんな中でドコモ口座は本人確認なしで手に入れることができたのですから、犯罪者が狙わないわけはありません。

犯行に手慣れた組織的集団が見え隠れしている

今回の犯人像ですが、かなり手慣れた感じを受けます。ドコモ側のセキュリティーの穴を見つけるのが巧みなだけでなく、不正出金するときには、1000円、1万円、10万円単位と、小刻みにお金を引き出し、総額を数十万円にするなど、不正出金がすぐにバレない工作もしています。

一気にお金を引き出さない手口を使うところから、犯罪行為に慣れた組織的集団がうかがわれます。

この事件から思い出されるのは、2016年に南アフリカの銀行が不正アクセスを受けて、全国のコンビニのATMから約18億円が一斉に引き出された事件です。あのときは、海外の犯罪組織と日本組織が一体となった犯行とみられていますが、今回も同様の形が考えられます。

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