トリドール、日系初アフリカ進出に潜む事情 「丸亀製麺」ではなくテリヤキで勝負
たとえば中国。2012年2月に上海で中国本土1号店を出した後、2014年度までに100店舗を達成する計画だが、尖閣問題が影を落とし、現在までに開店できたのは20店舗。2012年12月に1号店を出した韓国も、2015年3月末に50店舗まで拡大する計画ながら、現時点では5店のみ。
「国内での出店攻勢を見てもらえればわかるように、短期間で大量出店を行うのは得意」(広報担当者)というが、同じ店舗開発でも国内と海外ではノウハウはもちろん、必要となる人材も違ってくる。
また、ちょうど1年前。2013年4月には、海外だけで展開する「ドーナツ店」を設立、1号店をハワイに出店すると発表したが、まだその影も見えない状態。「新しい味が決まらない」(同)と、商品開発が難航していることがうかがえる。
大量出店戦略の転換点
「丸亀製麺」は、日本国内での中期目標として1000店舗構想を掲げ、これまで年100~120店舗という大量出店で高成長を続けてきた。だが、800店舗を超えた辺りからカニバリゼーション(共食い現象)が見られるようになった。さらに、セルフ式うどんを真似した競合店の増加も災いし、2014年3月期の新規店舗数は88にとどまった。
また、裏側にカビの生えたザルでうどんを提供してしまうという事態が発生。急拡大に伴う店員教育の不徹底など、店舗運営の粗もあらわになっている。
東日本大震災以降、徐々に表出しつつあった既存店の弱さが、出店数の減速で一気に露見し、本業の儲けを示す営業利益は2014年3月期に前期比28.8%の大幅減益となった。「日系初」という華々しいキーワードの陰で、大量出店による成長戦略は転換期を迎えているのかもしれない。
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