圧倒的に強烈な「デマ」流すトランプ信者の正体 悪魔グループの存在主張するQアノンとは何か
ソロス氏のような民主党のエリートが密室で謀議をめぐらし、陰で糸を引き、金の力で世界を支配するという誤った概念は、極右グループ「Qアノン」が説く陰謀論の主柱となっている。
Qアノンが考える「悪魔グループ」
その3.「秘密結社」がジョー・バイデンを操っている
このデマもまた、ネット上で流布しているQアノンの根拠のない陰謀論の柱だ。Qアノンは事実に基づくことなく、次のような主張を繰り広げている。世界は悪魔崇拝の小児性愛者のグループによって牛耳られており、子どもの性的人身売買で世界的なネットワークを持つこのグループは、トランプ氏を陥れる計略を企てている――。
何百万人といるQアノンの「信者」の考えでは、ソロス氏やヒラリー・クリントン元国務長官、オバマ前大統領といった民主党の大物たちが、上に述べた悪魔のグループに属している。実際の政治力はバイデン前副大統領のように選挙で大統領の座を争う人物の手中にはなく、一般の目の行き届かないところで秘密の力を行使する少数のエリートが握っていると信じているのだ。
新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以降、人々は外出禁止令の中、娯楽を求めてますますネットに向かうようになった。こうした状況を背景に、フェイスブック上の10大Qアノングループのメンバーは600%を超す増加を見た、とウォール・ストリート・ジャーナルの最近の記事は伝えている。新型コロナ、BLM、2020年の大統領選挙に関する誤情報をあおっている勢力の中でも、Qアノンは特に目立った存在となっている。
Qアノンの支持者には、反ワクチン運動や反児童人身売買運動に自らを結びつける人々もいて、こうした関心がQアノンの勢力拡大につながっている面もある。
(執筆:Davey Alba記者、Ben Decker記者)
(C)2020 The New York Times News Services
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