圧倒的に強烈な「デマ」流すトランプ信者の正体 悪魔グループの存在主張するQアノンとは何か
8月下旬、ランド・ポール上院議員(共和党、ケンタッキー州選出)が共和党大会で自らが対峙することになったデモ隊について話をすると、この陰謀論は一気に息を吹き返した。
「あなた方は、こう思っているだけかもしれない。『この人たちは、大都市ならどこにでもいる普通の不良じゃないか』。誓って言うが、われわれを攻撃している人々の少なくとも一部はワシントンの人間ではない」。政治専門メディアのポリティコによると、ポール氏はこう語った。「彼らは飛行機に乗って、ここに来た。彼らは全員、まっさらの新しい服に身を包んでいた」。
同氏は、こうした主張を裏付ける根拠を一切示していない。
ソロス氏がBLM団体を所有している
その2. 一部の「とても愚かな金持ち」が人種デモに資金提供している
同じFOXニュースのインタビューでトランプ氏は、「一部のとても愚かな金持ち」が先日ワシントンで行われたものも含めて、ここ何カ月と全国に広がっている人種差別抗議デモに資金提供したと考えている、と語った。
この未確認情報は、ここ数カ月ネット上で広まっていた主張にそっくりだ。億万長者の著名投資家で民主党の大物献金者でもあるジョージ・ソロス氏が、警察の残虐行為に対する抗議運動に資金提供している、というものである。
ソロス氏は長年にわたり、右派の活動家と政治家のゆるいネットワークから「反保守の悪役」に仕立て上げられてきた。同氏を都合よく「怪物」扱いしている各種の陰謀論集団が拡散しているデマには、ソロス氏がアンティファやブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命を粗末にするな)運動の団体を「所有している」といったものもある。
確かにソロス氏が設立した慈善団体オープン・ソサエティ財団は、過去にBLMに寄付したことがある。ただ、BLMには同財団のほかにもラッパーで起業家のジェイ・Zや歌手のビヨンセなど、多くの著名人が寄付を行っている。ミュージシャンのプリンスも死去する数週間前に寄付していた。