医学界に衝撃!治療なしで「HIV完治」した女性 驚きの研究結果で患者の人生が変わる可能性
「このユニークな被験者グループの実例から、免疫反応により臨床的な治癒を実質的に達成することは可能という概念に一種の証明が得られた」とディークス氏は述べる。
薬を使わずにウイルスを抑制する人々の中には、HIVに素早く反応する抗体や、免疫細胞が検出されない人もいる。ただ、こうした人々の免疫システムにはウイルスに対する強い記憶が残っていることを研究者チームは発見した。
免疫システムを構成する強力なT細胞は、ウイルス遺伝子がゲノムのより侵入しやすい部分に寄生した細胞を消滅させた。残った感染細胞は、転写ができないゲノムの離れた部分でのみウイルスを擁していた。
「私たちが発見した研究結果について、現在説明できるのはここまだ」と、エリート・コントローラーを30年間研究してきたラゴン研究所のブルース・ウォーカー所長(ハーバード大学医学部教授)は言う。
薬の副作用に対する究極の解決策
抗レトロウイルス治療を受けた患者の約10%、特に感染後すぐに治療を始めた患者は、服用をやめた後もウイルスの抑制に成功している。これらの患者にも似たようなメカニズムが働いているのかもしれない、と専門家らはみる。
抗レトロウイルス薬は心疾患や臓器障害を含む重大な副作用を引き起こすことがあり、長年投与された場合は副作用のリスクも高くなる。そのため、さらなる研究で機能的治癒が実証されれば、患者の人生は変わるとユー氏は話す。「患者は治療をやめても治癒し、その後の人生を健康に生きられるようになる」。
(執筆:Apoorva Mandavilli記者)
(C)2020 The New York News Services
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