「代謝が悪い人」がやっている残念すぎる習慣 飴1個で「脂肪の備蓄倉庫」の扉が閉まる?

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ところが、そこに飴玉という糖質を投入してしまうと、糖質はすぐにエネルギーに変わるので、備蓄倉庫のシャッターが下りて、在庫の運び出しがストップしてしまいます。

つまり、「新しいモノが入ったので、倉庫から持ってくる必要はないですよ!」と、指示を出してしまったようなもの。

しかも、飴の主原料は砂糖と水飴で、どちらも「二糖類」と呼ばれる2つの糖が結合した形です。体内で簡単に単糖類(ブドウ糖)に分解されるので、たった1個の小さな飴玉でもスーッと血糖値が上がります。

血糖値が急上昇すればインスリンがワーッと分泌され、飴玉はなくなってもインスリンは残るので、脂肪をため込む働きをします。たった1個の小さな飴玉が、脂肪の在庫を運び出す機会を奪うだけではなく、次に食べたものを脂肪としてため込む用意を整えてしまうのです。

代謝を理解すると、体が変わり、生き方が変わる!?

こうしたことを理解していれば、空腹を感じたときに飴をなめようと思っても、「いや、待てよ」と、手が止まりませんか。むしろそんな残念なことはできなくなるのではないでしょうか。私は、もったいなくて、もう何年も飴をなめたことがありません。

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代謝を理解すれば、体内で起きていることをイメージできるようになり、日々の行動が変わります。日々の行動が変われば、体が変わります。そして体が変われば、その後の人生が変わります。

私たちの体は、自分の食べたものを材料にできています。脂肪をため込みやすい体質の人は、代謝のオーバーヒートを起こさないような行動を選んで、ぜひ実践してください。

また、幸いにも脂肪をため込みにくい体質をもって生まれた人も、それに甘んじた生活をしていれば、かえって病気を増やしてしまいます。

やせていても糖の代謝異常がある人は少なくありませんし、事実、やせの糖尿病は結構多いのです。とくに、もともと太りにくいけれどお腹だけポッコリ出てきたという人は要注意です。

何気ない1つひとつの行動が自分の体とその後の人生をつくっていることを忘れずに、今日から、1つひとつの行動を変えていきましょう!

池谷 敏郎 医学博士/池谷医院院長

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いけたに としろう / Toshiro Iketani

1962年、東京都生まれ。医療法人社団池谷医院院長。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管・心臓などの循環器系のエキスパートとして、数々のテレビ出演、雑誌・新聞への寄稿、講演など多方面で活躍中。東京医科大学循環器内科客員講師、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。著書に『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』(三笠書房)、『「血管を鍛える」と超健康になる!』『血管の名医が教える15歳若返る習慣』(ともに知的生きかた文庫)などがある。

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