マツキヨ・ココカラ連合はコロナで揺らぐのか インバウンドの減少が業績を直撃している

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ここにおいては、住宅街立地も少なくないココカラのノウハウが、マツキヨに共有されるメリットが、当初以上に強調されるかもしれない。ココカラは微量の血液などによる検査を薬局で行える「検体測定室」といった比較的新しいサービスに積極的に乗り出しており、なるべく病気にかからない“未病”への取り組みも拡充している。高齢化で医療費が切迫する中、病院や医療機関と薬局が役割分担することは、地方自治体のニーズとも合致している。

2065年には8000万人台に減少するともいわれるわが国の人口。小売業同士の競争が熾烈化することは間違いない。A店、B店、C店が同地域に乱立したときに、A店にしかないモノ・サービスがあることは競争の必須条件だ。そして、健康に求める要望水準が高まるアジアに目を向けることも当然の流れになるだろう。

インバウンドはしばらく足を引っ張る

とはいえ、アジア各国の消費状況の回復は先行き不透明だ。インバウンド需要が回復するのにはだいぶ時間がかかることは間違いない。同時にアジアへの出店戦略といったグローバル戦略も人が行き来しづらい現状では、スローダウンせざるをえないだろう。

マツキヨが打ってきた空港に出店する“水際”戦略や訪日外国人が多く訪れる場所への出店戦略は、実際の販売に加えて、“マツキヨブランド”宣伝効果も兼ねてきた。また最近ではPB開発においても、大気汚染などの外的要因にも着目したフェイスマスクを発売するなど、アジアでの購買情報収集、海外店舗の実地調査を開発に生かしている。海外の店舗数でもマツキヨは直近で44店舗ある。ウエルシアHDの7店舗、ツルハHDの22店舗に比べ、頭一つ抜けている状態だ。

マツキヨは2021年3月期第1四半期の決算資料で、「デジタル化の更なる高度化」「グローバル化の更なる進展」を重点戦略に掲げており、いずれの戦略の看板も下げる意向は見られない。さらに「出入国制限の解除後を念頭に、アジアを中心とした海外店舗展開やグローバル会員獲得」を進めるとしている。そして「アジア地域における事業基盤を早期に確立することを目指す」と意欲も見せる。

アジアにおけるマツキヨの認知度やブランド力はすぐに崩れるものではなく、コロナの影響が弱まり次第、こうした認知度・PB商品力を生かした戦略を加速させることは可能かもしれない。だが、アジア現地での消費行動がどこまで回復するかは、やはり慎重に見極めていく必要があるだろう。

菅原 幸子 医薬品業界誌記者、『ドラビズon-line』編集長

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すがわら さちこ / Sachiko Sugawara

2000年から20年にわたって医薬品メーカー、ヘルスケア卸、薬局・ドラッグストアを取材。現在は「ドラビズon-line」の編集長を務めている。

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