JR西の豪華寝台「瑞風」、長すぎる運休のナゾ

検査含め1年休み、沿線の人々と乗務員の思いは

JR西日本後藤総合車両所で要部検査中の「瑞風」。運行再開まであと半年ある(記者撮影)

この数年、鉄道各社が競うように投入した豪華列車。いずれも新型コロナウイルスの感染拡大を受けて運休を余儀なくされていた。そのなかで、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」、JR東日本の「トランスイート四季島」が8月15日から運転を再開。沿線や立ち寄り先で久々の歓迎を受けている。東急もこの夏、伊豆の観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を北海道にデビューさせた。

だが、JR西日本が“美しい日本をホテルが走る”とのコンセプトを打ち出す「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」だけは、いまだ舞台に復帰できていない。2月末以降の運休がコロナ禍の長期化で延長された結果、もともと予定していた要部検査という長期メンテナンスの期間に入ってしまったためだ。瑞風が華々しく登場したのは2017年の6月17日。3周年は思いもしない状況で迎えることとなった。

瑞風の運行再開は半年先

JR西日本は8月26日、2021年2月17日から運行を再開すると発表した。感染症予防対策からサービスの内容を一部見直した。昼食と夕食のコース料理は「部屋食」とし、豪華列車の魅力の1つである食堂車は食事の場所としては使用しない。下り方面の1泊2日の山陽コースと2泊3日の山陽・山陰周遊コースは新大阪駅から出発する。

チェックインの場所は上りコースの出発地である下関駅と同様に列車内ととする。新たに新大阪発としたのは列車の停車時間を十分に確保できるのが理由で、乗客の利便性にも考慮したという。大阪駅出発または到着のコースもあるが、同駅と京都駅のラウンジは使用しない。立ち寄り観光は少人数グループで、観光用のバスを2台に分けて運行する。

運休期間はほぼ1年にわたることになる。同社の長谷川一明社長は記者会見で「あと半年間お待ちいただくことになりますが、新常態に進化する瑞風の旅をぜひ楽しみにしていただきたいと思います」と語った。

しかし、要部検査は9月には終わる。当初は「11月末までの運休を予定」としていたが、なぜ再開が来年の2月になるのか。同社担当者は「新しいサービスを実施するにあたってのクルーなどの訓練を行う期間が一定期間必要」と説明。そのうえで「新しい時代に合った瑞風にして再開当日を万全の体制で迎えたい」と強調する。要部検査でピカピカに磨かれた瑞風の車体と同じく、サービス面も生活様式の変化を見据えてブラッシュアップしていく考えだ。

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