年間出生数10人未満の自治体が96もある衝撃 各地域では若手の人材の確保も急いでいる

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人口減少に伴い、地方の出生数の減少も深刻化しています。(写真は出生者ゼロの丹波山村、同村提供)

総務省の住民基本台帳に基づく人口動態調査(8月5日発表)によると、今年1月1日現在の日本の人口(日本人=以下同)は約1億2427万人で、前年から約50万人の減少。11年連続の減少で、過去最大の減少数となった。

都道府県別で見ると44道府県で人口が減り、増えたのは東京、神奈川、沖縄の3都県のみで、偏在が際立っている。知っているようで、知らない日本の人口構造の実態をさまざまな角度から検証してみた。

東京一極集中と大都市の二極化

都道府県別の人口を多い順、少ない順で見ると次のとおりだ(万人未満四捨五入)。

【多い】       
① 東京都 1326万人
② 神奈川県 898万人
③ 大阪府 860万人
④ 愛知県 730万人
⑤ 埼玉県 720万人
【少ない】
㊼ 鳥取県 56万人
㊻ 島根県 67万人
㊺ 高知県 70万人
㊹ 徳島県 74万人
㊸ 福井県 76万人

最大の東京都と最少の鳥取県の格差は23.7倍である。ちなみに面積は鳥取県の方が大きい。東京の異常な過密ぶりが歴然となっている。

上位5都府県と千葉県、兵庫県、北海道を加えた8都道府県の人口を合計すると、日本全体の50.01%を占めている。中でも東京都は前年から6万8000人余り増えている。今年の5月に続き、7月も東京都が転出超過(2522人)となってコロナ禍の影響かと話題となっているが、2019年末までは東京一極集中の進行が歴然だ。

さらに、日本の政令指定都市と東京23区(特別区)を加えた21自治体の人口を見てみよう。(外部配信先ではグラフや図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

 

人口100万人以上の自治体は東京23区を含めて全部で12。政令指定都市というと人口100万人以上の大都市というイメージだが、9つの市では100万人未満になっている。

そして、これらの大都市でも、近年は二極化の傾向が見られる。東京23区や福岡市、川崎市、さいたま市、大阪市は前年に比べて7000人から6万3000人の幅で人口が大きく増えているが、北九州市、神戸市、京都市、静岡市、新潟市、堺市は4000人以上も減少している。さらに岡山市(前年比1580人減)や静岡市(同4984人減)は政令指定都市の目安と言われた70万人を割り込んでいる。 

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