社会貢献は「自分のためにやる」エモい働き方だ 日本の女性起業家とマーク・ベニオフの共通点

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AIソリューションを提供するシナモンAI創業者の平野未来氏。各地でも日本の働き方革新に向けて積極的に発信している(写真:シナモン)
ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリートジャーナルでベストセラー入りしたマーク・ベニオフ著『トレイルブレイザー 企業が本気で社会を変える10の思考』の日本版が7月31日に刊行された。
クラウド・コンピューティングやサブスクビジネスの先駆者であり、1999年にセールスフォース・ドットコムを創設、GAFAと並び称される企業に急成長させた著者の歩みと思いを細密につづった1冊だ。成功と社会貢献を対立軸にしないその企業文化は、世界で賞賛されている。
「ミレニアル世代は、社会貢献のミッションが核にある企業でなければ勤めたくないと考えています」──シリアル・アントレプレナーで、AI業界のフロントランナーとして躍進する株式会社シナモン代表取締役社長CEOの平野未来氏がベニオフ氏と同書について語った。

成長企業に必要な社会的責任

セールスフォース・ドットコムとマーク・ベニオフさんの存在はもちろん存じ上げていましたが、『トレイルブレイザー』を読んで、ベニオフさんご本人のストーリーや思いを知ることができ、その考え方からは非常にインスパイアされました。

『トレイルブレイザー 企業が本気で社会を変える10の思考』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

ベニオフさんは、巨大企業の経営者という立場で、人種差別やホームレスなどの問題に対して、強く社会的責任を感じていらっしゃる方ですね。ビジネスをしていくうえでは、どうしても負の側面が出てくる場合があるものですが、それらと誠実に向き合って戦っている印象を受けました。

ベニオフさんのような方と比べるのはおこがましいのですが、実は私は、企業の社会的責任について興味を持つようになっていたところでした。シナモンはAIに関連するプロダクト開発やコンサルティングサービスを提供する企業ですが、AIというものは、「人の仕事を奪う」という観点から、とくにメディアにおいては負の側面を取り上げられがちです。

現実に、テクノロジーの変化によって仕事が奪われてしまった業種の方もいらっしゃいますが、日本国内においては労働人口の減少が続いており、2030年には1000万人が不足するという現実があります。そうなると、今のビジネスを維持するには、AIと人間が協調して働かなければならないというのが、私の基本的なスタンスです。

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