休校中の「勉強の遅れ」を深刻に考える親たちへ 焦って詰め込むよりずっと大事なこと

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――例えば半年以上遅れた学習を取り戻したい場合、どれくらいの期間が必要なのでしょうか?

取り戻すのに必要な期間はひとくくりにできませんが、自分なりのペースで学習を進めていけるのであれば、どこかの時点で追いつけます。

今まで支援をしたお子さんのなかには、小学校6年間と中学1年の計7年間を不登校だったお子さんがいました。

小学校の勉強をまったくやっていなくて、中学2年生くらいから高校受験の勉強を始めたんですが、自分の希望の学校に合格できたということもありました。

とくに小学生の場合は、中学や高校に比べれば学ぶことが基本的には基礎的なものや簡単なものが多いですから、休校期間の学びを取り戻すという意味では、比較的早い時期に取り戻せるのではないでしょうか。

――「勉強する習慣が失われた場合は、本人がやる気になっても取り戻せない」という声もあります。

本人がやる気になった時点から習慣をつくっていけばよいので大丈夫です。

そもそも、やる気になってないのに、習慣だけ残っていてもあんまり意味がありません。イヤイヤ勉強しても本人はつらいだけなので、学力は身に付かないと思います。

子どもの興味を大事にできるか

「楽しい」とか、「好きだな」と思えば思うほど、自分から主体的に学んでいくという姿勢が出てくるんですね。

だから「子どもの興味関心をどれだけ大事にできるか」が、勉強や学力を身に付けていくうえで何よりも大切なことではないでしょうか。

――そうはいっても子どもの好きなことと言えばスマホとゲームだけ。オンラインゲームの「フォートナイトばっかりやってる」という心配の声も聞きます。

ゲームだって学びの題材になりますし、親や周囲の大人が工夫することでたくさんの学びが得られます。

フォートナイトであれば、チームプレイのためのコミュニケーション術、課金の仕方次第ではお金の使い方も学べます。

ゲームの感想を書けば国語の勉強にだってなります。もしフォートナイトが好きならまずはやらせてあげたらいいと思いますよ。

そのうえでほかのゲームや、フォートナイトに関連したイベントに誘うなど、活動の幅を広げて興味関心を増やしていくことが学びを広げていくことにつながります。

また、小学生であれば、親子で一緒に楽しむことも大事なポイントですね。大人が「子どもに教わる」という姿勢で関わると、子どもは人に教える段階に進むので学びが深くなります。

もっと言えば、ゲームだからスマホだからという理由で、子どもの興味を否定するのはもったいないです。学校で教わることだけが学びではないことを知っていただきたいです。

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