休校中の「勉強の遅れ」を深刻に考える親たちへ 焦って詰め込むよりずっと大事なこと
でも無理に学校の肩代わりをする必要はありません。だって学校で勉強している内容をすべて家でやれといったって無理です。
親は先生でもないし、ずっと家にいるわけでもないし、ましてや子どもにつきっきりでいられるわけでもありません。
宿題の適量考えても
だから課題が終わらなかったのはけっして親のせいではないし、子どものせいでもないんです。
もし課題が3割しか終わらなかったのなら、「3割しかできなかった」ではなくて、「この子には3割の量がちょうどよい」と捉え直すことが大切だと思います。
課題の量が適切なのかも考えなければいけないですよね。各家庭でできる範囲は変わってくるので、個別性に配慮のある課題になっていないことがいちばんの問題じゃないでしょうか。
でも先生も親御さんもどのくらいの量が適切かわからなかったというのが現実でしょうし、誰も経験したことのない事態のなかで、お互いに悩んでしまったのではないかなと思います。
――最後に親の方へメッセージをお願いします。
今は「その子にとっての必要な学力は何か」に立ち返って考えないといけないと思っています。
小さいころは将来どんな方向に進んでもいいように満遍なく教えようと、いろいろな体験をさせて詰め込みますよね。
でも本当は小さいころから得意なことを伸ばすほうが大事な気がするんです。
これからの世の中に適応していくためには得意なことがあるのは強みですし、必要ない知識をイヤがってでもやらせるのは勉強が嫌いになっていく要因です。
身に付いたものをもって社会でやっていくと切り換えて、その子にとって必要な部分を必要なだけ学ぶくらいのスタンスがよいのではないでしょうか。
――ありがとうございました。
(聞き手・石井志昂、赤沼美里)
「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、障害福祉分野でのサービスを提供している。得意や苦手を見つけ、子ども1人ひとりの特性に応じた指導を行うソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」は全国に111拠点を展開中。
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