奥野順・中央三井信託銀行社長--新信託銀行『三井住友信託』は最大であるだけでなく質的に最強にする
個人の資産運用にかかわる投資信託の販売や資産形成にかかわる住宅ローン、それに不動産。今期の収益は計画線(経常利益600億円、最終利益300億円)で進んでいる。投資信託の販売は、リーマンショック後、その前の半分の水準に落ち込んだが、いまは落ち込んだ分を半分取り戻し、つまり、ピーク時の4分の3ぐらいまで回復してきている。
不動産は1年前には完全にフリーズして物件が動かなくなってしまったが、いまは少しずつ動き出しており、その動きをうまくとらえていけば収益は上がってくる。
--中央三井信託銀行は国内業務を中心とし、資本規制上は国内基準行ですが、新信託銀行は住友信託銀行と同様に国際基準行にするとしています。住友信託銀行は海外での貸し出しも伸ばしていきたい考えのようです。
信託銀行にとって海外でいちばん大きな業務というのは資産の運用だ。海外での運用、あるいは海外から日本へ資産を引き入れること。資産の運用管理という意味ではわれわれも拠点を持っている。
かつてのように、メガバンクと張り合って拠点を出していくということではなく、貸し出しも選択と集中ということだと思う。住友信託銀行も集中的にやっていて、この面では情報を持っていると思う。
資産の管理という意味ではニューヨークに現地法人を置いて、カストディ(有価証券の管理)業務を行っている。われわれにはそういう拠点がなく、今後、これが当社の顧客基盤にも生かせると思う。
中国やアジアでは年金など資産の運用管理のインフラがこれからできてくるので、そういったところで、信託の強みを生かしていきたい。