安倍「体調不安説」に永田町がざわめき始めた 慶応大学病院「日帰り検診」に広がる臆測

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このGoTo実施を主導したのは菅官房長官で、安倍首相は官邸でのごく短時間のインタビューで「緊張感をもって事態を注視する」と繰り返すだけだった。その際の生気のない表情やかすれ気味の小さな声に、首相番記者の間でも「体調がおかしいのでは」との声が広がっていた。

安倍首相は広島と長崎での原爆忌記念式典に出席し、短時間の記者会見には応じた。ただ、わずか数問の質疑応答にも事前に用意された応答メモを棒読みし、逃げるように退出する姿が目立った。

7時間半の検診にいぶかる声

その後、安倍首相は事実上の夏休み状態を続け、15日の終戦記念日は武道館でのあいさつを終えるとすぐ私邸に戻り、盟友の麻生太郎副総理兼財務相と約1時間、密談した。

翌16日朝の民放情報番組に出演した安倍首相の盟友・甘利明自民党税調会長は、「ちょっと休んでもらいたい。責任感が強く、自分が休むことは罪だとの意識までもっている」と語った。これを受けて、永田町では「首相が明日入院」との情報が飛びかい、実際に病院を受診したことで体調不安説が現実味を帯びた。

午前10時半ごろから始まった17日の日帰り検診は、約7時間半もかかった。私邸とかかりつけの慶応義塾大学病院を公用車で往復した安倍首相は、私邸に戻った際、体調を尋ねる記者団に「お疲れさま」とだけ答え、以後来客もなく自宅静養に徹した。

安倍首相はこれまで、春と秋の同病院での人間ドック受診を恒例としていた。ただ、コロナ禍への対応もあって、今年は通常国会閉幕直前の6月13日に受けたばかり。今回の日帰り検診について、病院側は「6月に時間切れとなった分の追加検査」と説明したが、与党内にも「それにしては時間が長すぎる」(自民若手)といぶかる声が広がった。

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