米大統領選後起こりうる驚愕の4つのシナリオ 「ハリス副大統領候補」で民主党は本当に優位か

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この8月3日のレポートでは、11月3日の大統領選で以下の4つのケースを想定する。すなわち①コロナの影響などで開票が進まない②バイデン氏圧勝③トランプ氏圧勝④バイデン氏僅差での勝利、だ。そして、その全てのケースで起こるであろう混乱を具体的に紹介している。

その中で、1876年のような「DEALの提案の可能性」も示唆しているというわけだ。提案にはトランプ陣営が以下の条件を飲めば、民主党はトランプ大統領の再選を認める可能性を示唆する。その条件とは(1)ワシントンDCとプエルトリコを州に格上げする(2)カリフォルニア州を5つに分割することだ。

選挙後のアメリカの混乱は想定をはるかに超える

もしこの2つが実現すれば、トランプ氏が再選されたところで、共和党は半永久的に大統領職を失うだろう。よって実現性はほとんどないはずである。

だが、同組織は「もしこの条件を飲まないなら、カリフォルニアとオレゴンとワシントンの3つの西海岸の州は合衆国連邦から離脱するだろう」とも脅している。これに対して筆者自身は「トランプ大統領敗北、上下両院ともホワイトハウスが民主党の天下となる」→「全ての黒人に奴隷時代をもとにした莫大な補償金が払われることが決定」→「それに南部の白人が反乱を起こす」という流れになるほうが、より恐ろしいシナリオだと考える。

たとえどんな結果になるにせよ、11月3日の選挙後のアメリカの混乱が、過去の想定を大きく超えることだけは確かだろう。それは日本人のわれわれ自身が、このレポートを出した組織を見習って、あらかじめ想定しておくべきだろう。

一方で、こうした複雑な政治状況を全く意に介さないのが金融市場である。そこは、すでに実体経済と切り離された場所であることを、いまさら説明する必要はないかもしれない。

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