小型SUVヒットの系譜、日産ジュークの次は? ホンダ、ルノー、フォードなどが続々と参戦
全長4125ミリ×全幅1780ミリ×全高1565ミリのボディサイズは、ヨーロッパの都市部やアジアの入り組んだ道にはぴったりだ。フランス車はホイールベースが長めなのが特徴で、キャプチャーは2605ミリもある。最低地上高(地面から車体中央部の底面までの距離)は、ベースのルーテシアより70ミリ高い185ミリあり、運転席からの見晴らしがよい。
1.2リットルエンジンと6速AT(デュアルクラッチ機構)の組み合わせで、力不足ではないかと心配するかもしれないが、最近のダウンサイズエンジンの例にもれず、120ps/190Nmも出力があるため、十分に力強く走ってくれる。
ベース車が内装の質感の高さと乗り心地の良さでは定評があることもあって、小さめなボディだが、安っぽさはまったくない。後席を倒せばフルフラットになる荷室は、最大1200リットル以上の大容量を誇る。
フランス、中国、ブラジルの3工場で生産されるプジョー2008は、ルノーのキャプチャーと真っ向勝負しているクルマだ。
サイズは全長4160ミリ×全幅1740ミリ×全高1550ミリ。ベースの「208」より全長は200ミリ、全高は80ミリ長くなった。こちらも、フランス車らしい乗り心地の良さと内外装のデザイン性の高さが特長だ。
1.2リットルの小排気量エンジンを積んでいるが、82ps/118Nmの最高出力でも街中を走るぶんには必要にして十分といえる。
作り込まれている「エコスポーツ」
キャプチャーとプジョー2008は、2月に日本でも発売された。そして、5月に上陸するのがフォードの「エコスポーツ」だ。欧州で最も売れているコンパクトカー「フィエスタ」がベースになっている。
筆者は、日本上陸を前にタイで開催された国際試乗会に参加した。エコスポーツという車名は日本人には馴染みのないが、それもそのはず。初代はブラジル生まれの南米仕様だった。従来フォードは各拠点で地域ごとに開発をする体制だったが、ここ数年の「One Ford」の号令下、2代目はグローバル戦略車となった。
四角四面だった初代と比べると、2台目は力強く疾走感のあるデザインになった。最近のフォードに共通する張りのある面とエッジの効いたラインで構成されていたフォルムは、若々しくて躍動感がある。新素材を採用したインテリアなど、ヨーロッパでの最廉価モデルが約240万円であることを考えると、なかなかよく作りこまれている。
スタートボタンを押して、1.5リットルNAエンジン「デュラテックTi-VCT」を始動する。ベース車のフィエスタと比べて50センチも高い位置にアップライトに座るため、見晴らしがいい。観光客で賑わう街中に出ると、全長4241ミリ×全幅1765ミリ×全高1658ミリの小柄なサイズは便利だ。最小回転半径5.4メートルと、取り回しも良い。
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