「変化に強い」タピオカ店と雑草の共通した戦略 どの市場でどうやって生きていくかという嗅覚

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それでは、雑草は遷移の流れの中で、どのような戦略をとっているのだろう。

「雑草」と呼ばれる植物は、遷移の流れの中の限られた期間に出現する植物である。

土も栄養分もないような不毛の土地には、雑草は生えることができない。
やがて、コケ類や地衣類などの活動によって土が形成されてくると、最初に生えるのが一年生の小さな草である。ただし、火山活動によって形成されるような、まったくの不毛の土地が現れることは少ない。

一方、人間活動によって、山が削られて新たな土地が造成されたり、海が埋め立てられて埋め立て地が形成されたりすると、そこはやせた土地であるかも知れないが、土らしきものは存在する。

そのため、一般的にはこのような土地に、一年生の草本植物が最初に進出することが多い。

この、新しい造成地や埋め立て地に最初に進出する一年生の草本植物は「パイオニア植物」と呼ばれている。

新たに生まれた未開の地は、競争相手がいないフロンティアである。そこでは、ライバルとの競争に煩わされることはないのだ。

パイオニアの強みと弱み

パイオニアに求められるのは、とにかくスピードである。目の前には、競争相手のいない土地が広がっている。そこに求められるものは、相手を打ち負かす競争力ではなく、速やかに進出するというスピードだ。

パイオニアたる雑草は、とにかく素早く新たな土地に進出する。植物では、タンポポの綿毛のように、風で種子を運ぶような種類が有利だ。それらの植物は、新しくできた土地に、いち早く種子を進出させて定着する。

しかし、パイオニアと呼ばれる植物は、スピードという強みを持つ代わりに、競争力には弱い。新しくできた土地も、何年かすればさまざまな植物が進出してくる。そして、激しい競争の場となれば、パイオニアに勝ち目はない。やがて敗れ去り、舞台から退いていくのだ。

こうして、パイオニアは、常に新しい土地を求めて、たくさんの種子を飛ばし続ける。そして、新たな土地から新たな土地へと移動してゆくのである。

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