「変化に強い」タピオカ店と雑草の共通した戦略 どの市場でどうやって生きていくかという嗅覚

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成長期から成熟期の市場の質的な転換は、植物でいえば、草から木への転換に相当するかも知れない。

草から木へというのは、植生にとっては大きな転換期だ。「草」というのはスピードを重視した戦略である。とにかく素早く参入し、素早く大きくなって、素早く種子を作る。そして、できるだけたくさんの種子をばらまくのである。つまり、「スピードと量で勝負する」のが草である。

これに対して、木は違う。木は年輪を作り、しっかりとした幹を形成しながら、じっくりと大きくなっていく。つまり、木は「競争力と質で勝負する」スタイルなのである。

草の時代が終わると、藪の中から次第に木が生え始める。スピードの時代から、競争力の時代、量から質の時代になるのである。

とはいえ、最初は草が競争相手だから、比較的、競争は緩やかである。明るい林になる。しかし、やがて競争は激化し、強い植物が生き残り、弱い植物は淘汰されていく。そして、巨大な木が生えて豊かな森となっていく。成熟した市場の形成も、植生の遷移と同じである。競争力のある企業が参入し、しのぎを削る。そして、市場は飽和するのである。

植物は、最後にはもっとも競争力のある大きな木が占有するようになる。この遷移の最終段階は「極相」(きょくそう)と呼ばれている。

プロダクトライフサイクルの中で、どの位置でビジネスを始めるかが重要であるように、植物も種類によって、生えるべきタイミングがある。植物にとっては、時間の流れの中でも、ニッチがあるのである。

ビジネスで見ると・・・

ビジネスの世界では、導入期はリスクも大きく、顧客も少ないので利益は少なくなる。成長期は、市場全体での利益の額はまだ多くはないものの、ここで参入すれば利益の獲得を見込むことができるので、ビジネスを始めるチャンスである。しかし、ビジネスを始めるチャンスであることは、誰にとっても同じなので、競争が起こる。

やがて成熟期になると市場全体での利益の額は増えるが、この時期は大量生産や低コスト化が可能な競争力の強い企業が有利となる。生産性の高い巨木が有利な森と同じである。

植物の群落も、商品やサービスの市場と同じサイクルをたどっているのである。

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