「アリババ頼み」にも見える現状での最大の課題は、ビジョンファンドの今後だ。2019年6月末時点で159億ドルあった保有株の含み益は、2020年6月末時点で37億ドルの含み損となっている。ビジネスチャットのスラック・テクノロジーズなど上場保有株の株価上昇で3月末時点の含み損54億ドルからは改善したが、いまだ水面下だ。
特に含み損が膨らんでいるのは、シェアオフィス「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーを含む不動産・建設分野(51億ドル、6月末時点)や、ライドシェアのウーバー・テクノロジーズを含む交通・物流分野(33億ドル、同)の投資だ。
消費者向けサービスやヘルステック(医療)分野の投資は含み益がそれぞれ約22億ドルと安定しているが、動画投稿アプリ「TikTok」を手がける中国バイトダンスはトランプ政権から圧力がかかり、アメリカ事業などの売却を迫られるなど先行き不透明な部分もある。
新規投資は大幅にペースダウン
すでに株を売却し実現した利益も含め、投資時点から価値が上がったのは投資先86社のうち29社。一方で価値が下がったのは、それを上回る48社だ。1年前に202億ドルに膨らんでいた累計の投資損益は約20億ドルと10分の1の水準まで落ち込んだ。
ビジョンファンドの1号ファンドは2019年9月に投資先の新規開拓を終了しており、ファンドの投資枠のうち残る約1兆円は既存投資先への追加投資に充てられる。未上場投資先の企業評価額が上がったり、株式上場が増えたりしない限り、含み損の挽回は難しい。
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