ヨシタケシンスケがラーメン屋で気づいた真理 本当に食べたいものは「底」にあるんじゃない?

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で、それを丁寧にどかして、中のいちばん味わってもらいたい部分だけをすくう作業が、物作りをするうえで実はいちばん難しくて大事なことなんじゃないかな、っていうのをラーメン屋さんで思ったって話なんです。ついつい何か表側の余計な部分も、すくっちゃったりするんですよね。でも、そういうのをどかさないと、本来のものが伝わらなかったり、おいしくなかったりするんじゃないか。

その一連の作業をきれいにできたら気持ちいい。作品作りにおいても、そうだなって考えました。

第三者に促してもらいたい

感謝を促す係

子どもとかに、人のありがたみを教える仕事って、あったほうがいいよなと思ってて。人の半分ぐらいの身長で、感謝を促す係。そう考えるとホント「ありがとう」ですよネ、って、嫌みじゃなくさらっと言いに来て、誰かへの感謝の念を、湧き起こさせる……。

要は子どもに、「あんたのお母さん、あんたのために一生懸命やってんだよ。だからお母さんに、あなたはもっと感謝すべき状況なんですよ」、っていうことを、あんまり押しつけがましくなく話す人がいてほしい。子どもは、お母さんから言われたら絶対感謝しないけれども、こういう第三者が来て、「ありがたいと思いません?」と言ってくれると、「あ、確かに」って、意外と納得できたりするかもしれないので。

会社に来たなら、「あの後輩、何だかんだ言いながら、こういうこともやってくれるし、そう考えるとホントありがとうが必要ねー」って先輩を諭してくれる。で、この感謝係がたったったって帰ったあと、先輩が「いつもありがとね」みたいな、めったにない感謝の言葉を、後輩にかける。

そういうどちら側の立場でもない中立の人がいて、お互いに対する感謝の念を呼び起こす、いい感じの言い方をしてくれると、世の中もっと潤滑に動くんじゃないでしょうか。それがこの人の仕事です。ただ、誰からお金もらうかは、わかんないんですけど。

なぜうまくいかないのか

それってつまり「持ち方が違う」みたいなことなんじゃないかしら、って話なんですけど。何かが思ったようにうまくできないとき、それはそもそもの持ち方がおかしいんじゃないか、大前提を疑うってことも大事だなと。

子どもがおはしを使うのが下手で、それでよくよく見たらやっぱり持ち方がおかしくて、もっと上の方で持たないからつかめないんだよ、みたいなことをよく言うんです。おはしもそうだし、何かしらうまくいかないってことは、持ち方がそもそもおかしいときのほうが多いんだろうなって、気がつきました。

そもそもの持ち方、とらえ方っていうのをちゃんと教えてくれる人さえいれば、結構いろんなところがうまくいくのかもしれません。

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