香港メディア王「ジミー・ライ」が主張したこと

「香港の未来のために犠牲になるときがきた」

香港で開かれた反政府デモに参加するジミー・ライ氏(写真:今周刊)

香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏(23)が8月10日、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕された。

一報は日本でも大きく報じられたが、同日、逮捕された著名人は周庭氏だけではない。香港のメディア王の異名を持つ黎智英(ジミー・ライ)氏(71)が外国勢力と結託した疑いで逮捕され、香港や台湾に大きな衝撃を与えたのだ。

逮捕後、新聞は大増刷

香港の有力メディア「蘋果日報(アップル・デイリー)」を創業したライ氏は、ユニクロにも影響を与えたアパレルブランド「GIORDANO(ジョルダーノ)」の創業者でもある。同時に香港における最も有名な民主化運動の支持者としても知られている。

今回、ライ氏とアップル・デイリー幹部らの逮捕から一夜明けた香港ではアップル・デイリー紙を求める市民が長蛇の列をなし、大増刷が決定。同紙の親会社でライ氏が会長を務めるネクスト・デジタル社の株価は一時300%以上急騰した。

これらはライ氏やアップル・デイリー紙の支持者による抗議の意思と連帯を示す行動の結果であり、ライ氏らの影響力を示すものとも言えるだろう。

そのライ氏は国安法の導入を決めた第13期全国人民代表大会(全人代)の開幕当日にツイッターのアカウントを開設していた。ライ氏は世界に向けて何を語っていたのだろうか。

ライ氏がアカウントを開設した5月22日。第13期全人代は国安法の審議を予定しており、2日後の24日、同法の制定は香港議会によるものではなく、中国サイドの手によって制定されることが決定した。香港では同日午後、国安法により民主自由が脅かされることを危惧した市民による抗議デモが行われ、各地で当局とデモ隊が衝突。デモの規模は新型コロナウイルス蔓延以来、最大となった。

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