香港メディア王「ジミー・ライ」が主張したこと 「香港の未来のために犠牲になるときがきた」
ライ氏のツイッターは英語で更新され、開設以来、中国政府は国安法を通して香港の高度な自治と自由を奪おうとしていると批判し続けた。
ライ氏は「最後まで戦う。香港は私の家、私達は何も恐れない」と発言。アップル・デイリー紙が発起人となった署名活動「一人一信救香港」を世界中に呼びかけた。「一人一信」とは「1人1通の手紙(請願書)を書く」を指し、「救香港」とは「香港を救う」ことを意味する。
この活動の目的はアメリカのトランプ大統領に香港民主化への支持を求めるもので、ホワイトハウスの請願サイト「WE the PEOPLE」で署名が呼びかけられたほか、ツイッターでトランプ大統領に直接呼びかける、もしくはハッシュタグ「#TrumpSavesHK」をつけてツイートすることで、トランプ大統領に香港の現状や民主化への思いを届けることが提言された。
香港の民主と自由が失われる懸念
また、ライ氏は民主化を実現させた台湾にも触れ、「台湾では先人が流した血と涙という犠牲を経て、民主と自由を手に入れた」とし、「(香港が民主化のために)犠牲を払うときがきた。私達は香港の未来の自由のために血と涙を流す準備はできただろうか?私はそのつもりだ」と決意を表明している。
近年の香港民主化運動の背景にあるのは、先の逃亡犯条例改正案や6月に施行された国安法が、香港に高度な自治を認めた「一国二制度」を形骸化させ、香港の民主と自由が失われるのではないかという懸念である。
そんな民主化要求デモに対し、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はフェイスブックで「私達は反中華派、反政府派の不当な攻撃と中傷に対抗して、公民へこの国安法の重要性を全力で伝えたい」「大衆の目はごまかせない。圧倒的多数の香港市民はこの社会の安定を破壊する勢力にだまされることはないだろう」と発言した。
また、国務委員兼外交部部長(外相に相当)の王毅氏は、どの国であっても国の安全というものは中央によって守られるものとし、2019年6月の香港民主化デモ以来、外部からの香港地区に対する干渉こそが、一国二制度と香港の安定的な繁栄を脅かす巨大な脅威であるという認識を崩していない。
ライ氏は過去にも違法集会への参加などの容疑で逮捕・起訴されたことがある。今回の逮捕は国安法の適用と、ライ氏の自宅やアップル・デイリーへの大規模な家宅捜査が行われたことから、より高い関心が集まったと言える。
なお、ライ氏は逮捕から40時間近く経った8月12日午前0時ごろに保釈された。保釈条件は、現金30万香港ドル(約413万円)と身元保証金20万香港ドル(約275万円)、保釈金とは別に資産も凍結されたという情報も伝えられている。(台湾『今周刊』5月24日報道を再編集し、情報を追記した)
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