コロナ禍で命と経済を両立するのは可能なのか 今の政府の対応は「後手後手」に回っている

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東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。第7回のテーマは「withコロナ時代の世界経済」について。前編では北野氏が「命と経済の両立は可能なのか」、小社の野村明弘・編集局解説部長と考えます(詳しくは動画をご覧ください)。

本当に経済活動を優先して大丈夫なのか?

当初、新型コロナウイルスは気温が上昇すれば感染拡大に歯止めがかかるのではという期待感も一部にあった。だが、気温が上昇しても感染者数は減るどころか、むしろ増えている状況だ。北野一氏は当初の楽観的なシナリオが崩れつつあり、ウイルスによる生命への危険を一定に抑えながら雇用を守り、経済を活性するという「命と経済の両立」が難しくなっていることを憂慮する。

政府の対応も後手に回っている感が否めない。政府は緊急事態宣言解除後、新規感染者数が小康状態となったことで経済活動の活性化に向けて動き出した。一方で、厚生労働省は6月19日に人口10万人あたりの新規感染者数が2.5人を超えた場合に備え、各都道府県に向け7月末をメドに「医療提供体制の整備」に取り組むよう要請をしていた。だが、すでに東京都では早くも「警戒ライン」を突破してしまった。

今後、自粛要請が遅れれば遅れるほど、感染者や重症患者数は増えてしまう危険性がある。不透明性が一段と増す中で、果たして経済活動を優先してもいいのだろうか。また優先するとすれば、その判断基準はどうあるべきだろうか。

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