ホンダの「最新スーパーバイク」正統進化の凄み 「CBR1000RR-R」は完全新設計モデルで発売

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ステップは従来モデルに比べて上に上がり、後方に下がったので、スポーツライディング時におけるコントロール性が向上している。市街地では、50km/h巡航6速ギア2000回転で、しっかりとエンジンレスポンスが得られることに驚きだ。217.5馬力/1万4500回転のエンジンを、わずか2000回転という低回転で乗れてしまうのだ。

また、エンジンキャラクターは市街地に対応した扱いやすいもので、加減速時にも唐突なフィーリングはなく、まるで600cc程度のツーリングモデルのようにも乗れてしまう。高速道路を100km/h巡航するときのエンジン回転数はわずか4000回転で、1000cc級スーパースポーツマシンとしては低めだ。

つまりCBR1000RR-Rは、市街地でも高速道路でも、その素性のいいエンジン特性を生かして、ジェントルな走りに徹することができるのである。

サーキットコースで「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」に試乗する筆者(写真:©Nozomi Fujimura)

制御関係に話を戻せば、デフォルトで設定された3つのライディングモードの内容で十分であることも付け加えたい。

サーキット走行も見据えたトラックモードの「ライディングモード1」、スポーツモードの「ライディングモード2」、雨天時にも対応した乗り心地のいい「ライディングモード3」があり、さらに個人設定も可能だが、マシンに対する要求が明確でない場合は、CBR1000RR-Rの持つ性能バランスを崩しかねない。

筆者の個人的な見解では、サーキットではフルパワー&固めのサスペンションセットのライディングモード1で、市街地では快適モードのライディングモード3。高速道路やワインディングでは、適度に腰のあるライディングモード2で楽しむことができた。

CBRファンにとっても「究極の1台」に

CBR1000RR-Rは、ブレーキ関係にイタリアのブレンボ製キャリパー、サスペンションにスウェーデンのオーリンズ製サスペンションを採用していることもあり、コロナの影響で4月以降、生産ラインを一時止めることとなっていたが、現在は部品輸入も再開され、順調にデリバリーが進んでいる。

日本国内での販売予定は、800台。待ち焦がれていたファンも多く、受注は好調と聞く。永きにわたりCBRブランドを愛してやまないファンにとって、究極の1台となることは間違いない。

宮城 光 モータージャーナリスト

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みやぎ ひかる / Hikaru Miyagi

1962年生まれ。1982年鈴鹿サンデーオートバイレースに於いてデビュー3位。直後にモリワキレーシングと契約、1983年鈴鹿4耐で優勝、同年全日本F3クラスとGP250クラスに於いてチャンピオン獲得。1984年全日本F3クラス、F1クラスチャンピオン獲得。1988年HondaのHRCと国内最高峰GP500ccライダーとして契約。1993年より活動の場をアメリカに移し、全米選手権でチャンピオンになるなど、日本だけでなく海外でも活躍。1998年からは国内4輪レースでもその才能を発揮し、翌年の「4輪スーパー耐久シリーズ」ではチャンピオンを獲得する。また、世界耐久選手権シリーズ・鈴鹿8時間耐久ロードレースでは2003年より5年間ホンダドリームレーシングの監督を務めた経験ももつ。2016年には米国ボンネヴィルにおいて4輪車の世界最高速度記録を達成、世界記録保持者。開発車両ではTeam無限のマン島TT参戦車両・2輪電動マシン「神電」の初期からの開発ライダーを担当し2018年時点で5連勝中、2019年もチャレンジする。一方では、警視庁及び企業向け交通安全講話やライディング&ドライビング講師、専門学校講師などのほかに、 日本テレビのMotoGP解説者や雑誌などのメディアでレースやバイクの解説を務めるなど、多方面で活躍中。ホンダ・コレクションホールではホンダ歴代の2輪4輪グランプリマシンの維持管理テストレーサーを務める。無類のラジコン好き。

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