宅配便の「再配達無料」はどう考えてもおかしい そもそも送料無料という表現はどうなのか
感染恐怖の矛先がドライバーに
大島弘明氏(以下、大島):新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、緊急事態宣言が出た後も、物流はエッセンシャルワーカーと位置付けられ、トラックドライバーは通常業務を続けました。どんな気持ちで荷物を運んでいたのでしょうか。
橋本愛喜氏(以下、橋本):ステイホームしたかったというのが本音でしょう。でも、ドライバーは物流を支えているという熱い気持ちを持った人が多くいます。預かった荷物を届けなければならないという使命感で仕事をしていたと思います。
大島:新型コロナの中でも、ほぼ普段どおりの生活を送ることができたことに対し、世の中から物流に感謝する声が聞かれました。一方で、ドライバーへの職業差別も問題となりましたね。
橋本:私のもとにも、あるドライバーからダイレクトメールが届きました。内容は自分の妻が働く工場から、夫である自分が長距離ドライバーで感染している可能性があるため、年次有給休暇で休むよう指示されたという相談でした。
大島:それはおかしな話ですね。
橋本:私も疑問に思い、メーカーの本部に事実確認をしました。結果的に、その奥さんは職場復帰できたのですが、感染をおそれるあまり過剰になり、その矛先が立場の弱いドライバーに向かってしまったのは非常に残念です。