「言われたことを真面目にやるだけのサラリーマン」も、今後は淘汰されてしまうだろう。
これまでは、言われたことを真面目にコツコツこなし、みんなと仲良くやっていければ、それなりに評価された。しかし、時代は大きく変わった。いま求められている人材は、「自らの意見をもち、積極的にアイデアを出せる人」である。
日本電産の永守重信会長兼CEOは、こう語っている。「私は、テレワークは日本人に向いていないと思っていました。というのも、日本人には指示待ち型が多いからです。子どもの頃から親や先生に言われたことに従うのを是とし、自ら何かを始めようとしない。会社員になってからも、大部屋に机を並べて、何かあれば、すぐ上司にうかがいを立てる。でも、テレワークなら上司の顔色を見て仕事をすることもなくなるので、指示待ちから変わるかもしれない」
「食える人」は、「自己主張」「自己表現」できる人である。これからの会社は、「自分の意志や意見をもち、それを自分の言葉と行動で表現できる人間」を求めている。指示待ちの受け身なままでは、誰も相手にしてくれない。
コロナの影響で公務員を志望する大学生が急増しているらしいが、「公務員だから安泰」などという考え方そのものが安直である。「緊急事態なのだから、会社を辞めてはいけない。会社にしがみつけ」とあおる声も聞こえるが、大きな穴が開いている船にしがみついたままでは、船もろとも沈むだけかもしれない。
どんな会社だって潰れる可能性がある。どんな仕事だって突然なくなる可能性がある。
正社員だから安泰なんて言っていられない。会社にしがみついて、人生を棒に振ることが最も不幸なことである。
「食える人」は、会社にしがみつかない。コロナの影響で仕事がオンライン化やリモートワークに変わるなどの「大きな変化」にも柔軟に対応し、しっかりと自己管理ができる。そして、そういう「食える人」ほど、「自分の腕一本で生きていく気概」をもっており、会社にしがみつかない「脱会社」のマインドをもっている。
「コロナ・ショック」を「コロナ・チャンス」に
コロナ後においては、「どの職業に就くか」はもちろん大事だが、それ以上に「付加価値の高いプロ人材になりえるか」どうかが、キャリア上の成否を決めるといっても過言ではない。
コロナ・ショックは、ビジネス社会における「プロの時代」の幕開けになる。滅私奉公的なサラリーマンは淘汰され、高度専門性と市場性を兼ね備えた「プロ」が活躍する時代へと突入する。
競争は厳しくなるが、「個」の活性化ができれば、この国を再生させる大きなきっかけになりえる。私たちは「コロナ・ショック」を、自らの手で「コロナ・チャンス」へと変えなければならない。
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