営業デビュー、新型新幹線「N700S」の乗り心地 颯爽と運転開始、車内は一段と落ち着き増す

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それに対して今回は、経産省実証事業やNEDO事業(アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業)として取り組まれてきた「レーザーによる選別」技術を採用することで、700系・N700系のさまざまな合金種別が混ざった廃車スクラップ材の中から6000系合金(Al-Si-Mg合金:Siは硅素、Mgはマグネシウム)だけを抽出して、品質を下げないリサイクルに取り組んだ。これにより混合する新地金の量やエネルギーを減らし、またカスケードリサイクルとして売却していた量を低減させる。この循環リサイクルは、高速鉄道として世界初の取り組みとなった。

J0編成は所定の16両編成14M2Tのほか、先頭車両にもモーターを搭載した全電動車(16M)編成での試験、さらに8両編成(8M)での基本性能試験を実施し、標準車両としての性能評価、機能確認を進めてきたほか、16Mの編成では東海道区間での営業最高速度である時速285kmを大幅に上回る時速360kmでの走行試験を米原―京都間で行った。これまでに試験専用車両300Xでは時速443kmの記録があるが、営業車ベースの車両による速度としては今回が最高速である。

海外展開に向けてのぞかせる自信

また、長時間停電時に自律走行可能となるバッテリー自走システムによる走行試験は、浜松工場での時速5km走行を皮切りに、三島基地での時速30km走行、そして本線(浜松―静岡間)走行を行い、走行性能だけでなく指令を含めたやりとりの確認を行った。

『鉄道ジャーナル』2020年9月号(7月18日発売)。特集は「東京圏再発見」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

JR東海は、バッテリー走行をはじめ試験のすべてにおいて良好な結果が得られたとする中でも、時速360kmまでの試験を行えたことは、海外展開に向けてN700Sの高いポテンシャルを示すことができた、とする。

また、新型コロナウイルスの影響で東海道新幹線の輸送量は一時的に大きく下がったが、東京〜名古屋〜大阪の大動脈をつなぐ役割は変わらないとして、「今後もN700Sを投入してゆきながら東海道新幹線の輸送をしっかり支えてゆきたい」としている。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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