家事下手でも、子だくさんでOK? 家の床磨きより、心磨きが大切

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ひとりの女性がこなせる仕事量は限られています。仕事・料理・掃除・人間関係・社会的な責任……。単に子供への食事ひとつをとっても、ただお腹さえ満たせてやれば何を食べさせてもいいという考え方から、栄養を考え愛情を込め、親からのさまざまなメッセージを盛り込んで食卓を整えるやり方まで、かかわり方はさまざまです。

個人の力量に応じて、優先順位の置き方が問題になってくると思いますが、本末転倒な考え方は危険です。先の4軒とも、掃除とママ自身の過度なおしゃれは「完璧」でしたが、家庭崩壊か家族がバラバラになっていますから、優先順位の置きどころを間違え、心を忘れて外見を優先した家庭の結末までが見事に共通したのは、見ていて怖いほどでした。

掃除上手よりは心磨きの達人に

私の別の友人の、豪邸の新築祝いに行ったときのことです。夫君と廊下で鉢合わせました。玄関を入ったところの大階段の下に、大きなマリモのような塊がいくつもあり、彼は「これは何?」と手に取って、「ああ、ホコリやね」。それだけです。

別の友人が「私の夫なら、人を招いた日の、しかも新築の家の玄関で、こんなにホコリがあれば雷が落ちるわ」と言いましたら、「ホコリで人は死なないと言うし、それに妻は家族を大切にし、親戚・友人にも好かれているので、頭が上がらない」と、“マリモ”を手にニコニコしていました。

そして私の母ですが、教訓らしいことをほとんど口にせず逝った人なのに、「掃除や料理が上手で、行事や親戚付き合いも完璧にこなすが、そこに心が伴わずいつも不機嫌な主婦が切り盛りする家庭よりは、何ひとつ完璧にできなくとも、心優しく、いつも機嫌がいい主婦のいる家庭のほうが、絶対にいい子が育つよ」なんてことをつぶやいていました。「当たっている」と実感しています。

以上のように、掃除ひとつを取り上げても、掃除上手な人と結婚した人が、必ずしも幸せとは限らないということです。掃除下手な人が設けてよい子供の数なんて、決まっているはずありません。公務員としてのお仕事もなさりながら、2人を育てておられるのは、十分にご立派です。もっとご自分に自信を持ってください!

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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