コロナ禍「経済優先」したスウェーデンの悲惨 死亡率が増え、経済も近隣国同様の状況に

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ここには、おそらく全世界に当てはまる教訓がある。ロックダウンなどの政策を経済悪化の原因と見なすのは短絡的にすぎるということだ。すべての元凶はウイルスそのものにある。アジアからヨーロッパ、南北アメリカに至るまで、パンデミックのリスクはビジネスを混乱に陥れ、政府の政策がどうであろうと人々はショッピングモールやレストランを避けるようになった。

スウェーデンも国際貿易における不測の変化から逃れることはできない。パンデミックが始まった以上、スウェーデンにも経済的なダメージが及ぶのは明らかだった、と前出のカークガード氏は指摘する。

「サプライチェーンが寸断され、他国の製造業が操業を停止すると、スウェーデンの製造業も停止した。これは完全に予測できた展開だ」(カークガード氏)

高齢者の買い物自粛が教えること

しかし死者数については、政府の対応次第で結果は変わっていたはずだ。

カークガード氏が言う。「スウェーデン政府には自らの方針を疑問視する声もなければ、対策を見直す意欲もなく、このまま行けば本当に手遅れになる。これは驚くべきことだ。なにしろ、政府の主張する経済的なメリットがまったく存在しないことが明らかになってから、かなりの時間がたっている」。

これに対しノルウェーは、厳しいロックダウンに踏み切ったのが早かっただけでなく、ロックダウンの緩和でも先行した。感染拡大の速度が落ち、政府の検査態勢も大幅に強化されたためだ。

今では、経済も一段と短期間での回復が見込まれるようになっている。ノルウェーの中央銀行によると、変動の激しい石油・ガス部門を除く本土経済は今年3.9%のマイナス成長となる見通し。ロックダウン期間中に示された5.5%のマイナス成長予想から状況は大幅に改善してきている。

コペンハーゲン大学(デンマーク)の研究者はスカンジナビア地域で最大級の規模を誇るダンスケ銀行のデータを用い、デンマークで経済活動が制限されていた3月中旬〜4月上旬の消費パターンを分析した。これによると、パンデミックの影響でデンマーク人の支出は同期間に29%減少したが、自由を謳歌していたスウェーデンでも消費支出は25%減っていた。

さらに驚くべきは70歳を超える高齢者で、この層ではデンマークよりもスウェーデンのほうが消費の落ち込みが大きかった。スウェーデンでは通常どおりの経済活動が維持されたことから、おそらく外出がことさら危険視される状況が生まれたのだろう。

(執筆:Peter S. Goodman記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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