ゴミ清掃芸人が語るコロナ禍の廃棄物処理問題 20年後に最終処分場は容量オーバーを迎える

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――なぜ、家庭ゴミの増加に不安を感じるのでしょうか?

基本的に家庭ゴミの大部分は、燃やして埋められているのですが、あと20年ほどで限界が来ると発表されています。

ゴミは燃やせば消えると思われている方もいらっしゃると思いますが、実際には容積が小さくなるだけで消えることはありません。私たちが捨てたものが、お住まいの都道府県のどこかに埋められていて、数十年後には満杯になってしまうわけです。

ただでさえ深刻な状況でしたが、コロナの影響もあり家庭ゴミは増えています。当たり前にゴミを捨てられない。そんな現実が着々と迫って来ていると考えると、心配になってしまいます。

――最終処分場の20年問題について、簡単に教えていただけますか?

簡単に説明すると、市町村ごとに集められた家庭ゴミは、燃やして灰に変えられます。その後、各都道府県の最終処分場に運ばれて埋められています。

処分場の状況にバラツキはあるものの、環境省が全国的な残余容量を計算したところ、2040年頃をメドに最終処分場が限界に至る発表をしました。これが最終処分場の20年問題です。

フリマアプリでの販売も視野に

当然新しく最終処分場を作れば解決できるわけですが、住民反対や土地所有者等の問題があります。また、各所からゴミを運び集めるため、山奥や僻地も現実的ではなく、新設は簡単ではありません。国も有効な解決策を出せていないのが現状です。

――そんな現状に対して、私たちはゴミにどう向き合っていくべきなのでしょうか?

生きることはゴミを出すことでもあります。これは仕方のないことですし、避けられません。それに経済が落ち込んでいる今こそ、モノを買ってお金を消費することは良いことだと思います。

ただ、要らなくなったら捨てればいい。欲しくなったら買えばいい。そんな大量消費の考え方は、今こそ変えていくべきかもしれません。日本の集積所の現状を知ったうえで、本当に必要なモノを選ぶ価値観が浸透していけば素敵なことだと思います。

また、ゴミを捨てる前にできることも増えています。Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)。3Rによってゴミは削減できますが、フリマアプリという新しい選択肢も有効です。

洋服や雑貨を捨てる前に、フリマアプリで販売してみたり、リユースボックスやリサイクルショップに持っていくだけで、ゴミにしないこともできます。ゴミを生まずにモノを手放す選択を心がけることが、今できる最大限の行動になるかもしれませんね。

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