恋愛で後悔しても投資は絶対に後悔しない理由 後悔と投資の関係について真剣に考えてみる

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競馬である。

実は今回は後悔と「WIN5」(JRAの指定する、連続する5つのレースで単勝をすべて当てると配当をもらえる馬券)について語るために、前段を書いたのだが、前段が長くなりすぎたので、ここはさわりだけ。

WIN5の最大の欠点は、かすったときの後悔が半端ないことである。私は、先週「WIN4」(5レースのうち4レースで当たる)という悔しい思いをした(何ももらえない)。しかも、そのときのWIN5の配当金は3000万円超えである。しかも5レースのうち、13番人気で勝った馬は当てていたのに、である。

これは本当に悔しい。もう一つのレースはなんとかならなかったのか。そのレースで勝ったのは8番人気の馬である。この馬はどうやれば買えたか。事後的に振り返ると、そのレースの4番目の馬として印をつけていたのである。ものすごい後悔である。

もし負けても、後悔することを恐れてはいけない

この後悔を受けて、私は、この週末のWIN5をどうするだろうか。実は、馬券を購入する場合、1レースあたり、印は原則2頭まで、例外的に狙う馬がいる時は3頭まで、ただし、それは5レースのうち2レースまで、と決めている。この「自己ルール」を取り払うことになるかもしれない。3000万円を逃して後悔しないために。

これは最悪である。

WIN5の最大の欠点である、買う点数が多くなりがちである、という罠にはまってしまう。毎週3000円だったのが、1万円、2万円となってしまう。これが一番避けなければいけないことだ。

WIN5を買うときは後悔することを恐れず、点数は絞って、あれもこれも押さえずに買わないといけない。どうしても後悔してしまう人は、宝くじ(しかも自分で番号を選ばない)でも買っておけ。宝くじに外れて、「もっと勝っておけばよかった」と後悔している人は見たことがないので。

行動して後悔する方が、行動しないで後悔するよりも、後で望ましい、これは嘘である。

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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