部下に仕事を「落とす」のはダメな上司の典型例だ 熟練度に応じた4段階指導がうまくいく秘訣
何回も仕事に取り組んで、上司から見ればやれる能力があるのに、放っておくと不安になったり、途中で別のことを始めてしまう部下はいませんか? もしあなたの部下にそういった傾向があるなら、第3期です。
この部下は、指示型や提案型のように答えを求めているわけではありません。また、委任型も違います。「どうやって進めるつもりかな?」「どうしたらいいと考えてる?」と、部下から答えを引き出し、「それでいいと思うよ」と承認してあげる。それだけです。
任せ下手の上司は、答えを提示しないといけないと思いがちですが、そうではありません。第3期の部下は、援助だけしてほしいのです。
ある程度放っておいても成果をあげる部下を、任せ下手な上司は「放置」してしまいます。委任型は、放置とは違います。ゴールのすり合わせをしているかどうか、ここが大きな違いです。放っておいても成果をあげるからといって放置していると、「あの人は何もしてくれない」「いてもいなくても同じ上司」と見られます。
部下の「経験」ではなく「状況」で選ぶ
この熟練度の4段階で気をつけなければならないのは、「経験」や「キャリア」で段階を決めつけてはいけないということです。
・あの人は前職でものすごい実績を出した。だから「④委任型」にしよう
・あの子は新人だから「①指示型」だな
そんなふうに、経験やキャリアでスタイルを選ぶと、痛い目に合います。新人であっても、任せてみたら能力もモチベーションも高い第4期の能力もあるでしょうし、キャリアを積んだベテランでも、新しい仕事に取り組むときは第1期だったりします。
つまり、その人が新人かベテランかにかかわらず、その人が取り組んでいる目標状況の一つひとつに合わせて、リーダーシップを変化させる必要があるのです。
このように、状況に合わせてスタイルを変化させる技術を「シチュエーショナル・リーダーシップ」と呼びます。
部下への仕事の任せ方が柔軟になれば、あなたは飛躍的に「任せ上手」になります。
まずは部下に答えを与えるかどうかで①②と③④が分かれ、答えを提示する①と②は、語尾が違うだけです。③と④は部下が援助を求めているかどうかで分かれます。
実は、部下に自主性を持たせるのは、それほど難しいことではありません。このちょっとした上司のスタンスの違いが、部下の育成に大きなインパクトを持ちます。
相手の状況に合わせてスタンスを変化させる。それによって、部下のパフォーマンスを引き出す「環境」を上司の力でつくり出すことができるのです。
部下を変えるのではなく、パフォーマンスを引き出す環境を作り出せる上司になる。その決意が、あなたを「任せ上手」にしてくれるはずです。
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