ひろゆき「コロナ時代も経験ゼロから挑戦しろ」 バナヤン「大事な3つだけで開くサードドア」
アレックス:最初はとても怖かった。感染者がたくさん出て、世界中の国々で日ごとに増えていく。祖父は93歳と高齢だし、心配でたまらなかった。精神的にビクビクしていたよ。
僕にとっては、世界を旅してスピーチしたり、講演会に出席するのが仕事の重要な一部だけど、2020年の予定が1~2週間のうちにガラッと変わって、数カ月先までの予定が一瞬にして白紙になった。こんな経験は、今回が初めてだった。
この不測の事態に対処するにあたって、過去の経験のなかで役に立ったものがあるとすれば、父にガンが見つかって、そして最終的には亡くなってしまったことかなと思う。当時、自分の人生はこんな感じで進んでいくってやっと思い描けるようになった矢先、突然事態が急変して、優先順位ががらりと変わったんだ。
ひろゆき:『サードドア』の最後のほうにも出てきていた話だね?
アレックス:そう。あのとき僕には2つの選択肢があった。1つは、ハッピーなふりをして仕事に邁進し、本を書くというミッションを前進させるというもの。でもそれは、一見必死に頑張っているようでいて、実は不幸極まりない状態。
もう1つは、冷静になって本当に大事な2、3のことだけに集中し、無理をしないというもの。父の具合が悪化していったとき、僕自身すごくつらい思いをした。そこで学んだのは、目の前の大切なことに向き合うためには、ちょっとペースを落とす必要があるということだったんだ。
あのときの僕にとって本当に重要だったのは、まず父とともに過ごすこと。そして母と姉、妹をサポートすること。それから『サードドア』を書き上げるという作業が途絶えないように、着実にやっていくこと。これだけだった。
今だから考えた「人生で大事な3つのこと」
アレックス:そう。コロナ禍の直前にも、僕は猛スピードで仕事に取り組んでいた。2020年という年にすごくワクワクしていたし、日本にも行くつもりで準備していた。それが全部仕切り直しになったのは、かなりつらいことだった。
でもそんなときだからこそ、「今このときに、僕の人生で最も重要な3つのことって何だろう?」とじっくり考えてみた。
ひろゆき:その3つというのは?
アレックス:まず、家族の健康と安全にしっかり気を配る。次にアメリカや日本、そのほか世界にいる『サードドア』読者をどうやって手助けできるか考え、実行する。そして、100のことをやるのではなくて2、3のことだけに集中する。そう決めたんだ。