コロナ第2波到来でも株価はあまり下がらない 目先膠着でも長期的な株価の上昇基調は不変
証券市場でも、第1波の際は、投資家が先行きを見通すことが全くできず、パニック的な株安やボラティリティ指標(たとえばVIX指数)の急上昇、安全資産だとみなされているアメリカの長期債や金などの価格の一時的な下振れなど、混乱を示す様相が極めて強まった。そうしたパニック的な部分を含めての、3月後半の主要国の株安であり、第1波と第2波の流行の度合いが仮に同程度でも、株価が底抜けるとは見込みがたい。
このため、やはり長期的には景気の明るい動向が徐々に勝っていくと予想するが、ただ、今すぐそれを信じることは、大多数の投資家にとって難しいだろう。このため、当面の株価動向に限れば、足元の堅調な経済指標と、第2波に対する懸念とが、綱引きすることで、主要国の株価は動意が乏しい展開に陥ると懸念している。
強気一辺倒も、極端な弱気も「木っ端微塵」に
市場心理や、それに基づいたグローバルな投資家の売買動向を眺めても、株価はしばらく保ち合いで、筆者が予想するような上昇基調がはっきり見えてくるまでは、少し時間がかかりそうだ。日経平均については、最近のザラ場高値は6月9日(火)の2万3185円で、ザラ場安値は6月15日(月)の2万1529円だった。この2つの中間点が2万2357円で、最近はその辺りで日経平均の膠着感が強まっている。当面は、この水準から大きく上にも下にも離れにくいのではないだろうか。
それを、前述のような景況感ではなく、市場心理とそれに基づく投資家の売買行動で考えると、今年2月初辺りまでは、強気一辺倒だったように感じられた。
たとえば「アメリカの株価は、ドナルド・トランプ大統領が再選に向けて株価を持ち上げ続けるから、下がるはずがない」「連銀が隠れQE4(量的緩和第4弾)で、金余りになっており、そのアメリカの資金が世界の株式市場に流入する」といったような、株高を正当化するような主張が多く聞かれた。
その主張は、その後3月末にかけての株安で粉砕された。そうした株価の下落は、強気だった投資家の投げ売りで、急速なものとなった。すると今度は、投資家の多くが、「コロナ禍という、想定外の出来事が起こった、世界経済はもうおしまいだ、株価は下がり続けるに違いない」との弱気一辺倒に転じた。そうした極端な弱気は、次は3月後半から6月初めまでの株高で、また「木っ端微塵」となった。売り方は、買い戻しを余儀なくされ、株高は大幅になった。
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