保健当局者が悩む陰湿な「コロナ差別」の実態 住所割り出され、自宅前でシュプレヒコール

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全米郡市保健当局協会(NACCHO)の最高責任者、ローリ・トレメル・フリーマン氏は6月中旬、パンデミックが始まってから保健当局では上級職員が何十人と辞職するか、解雇されていると話した。州保健当局トップの辞任は、これまでに少なくとも4人に上っている。例えば、オハイオ州保健局ディレクターのエイミー・アクトン氏は、自宅の前庭で武装した抗議者たちによる反ユダヤ攻撃とデモが繰り返され、今月辞任した。

ヒューストンを擁するテキサス州ハリス郡の公衆衛生局のエグゼクティブディレクター、ウメア・シャー氏は緊張感の伴う新たな役割についてこう語る。「われわれはより目につくようになり、非常に難しい意思決定に関与し、その決定が住民に対して非常に具体的な形で大きな影響を与えている。その結果、現在のような問題が生まれた」。

保健当局を攻撃している人々の言い分

もちろん、すべての職員が辞任の理由を明かしているわけではない。個人的な理由のほか、以前から退職を決めていたと説明する向きもある。ただフリーマン氏は、さまざまな嫌がらせがあったことを耳にしていると言う。

「背中に大きな赤い標的がついているようなものだ」とフリーマン氏は話す。「(コロナ対策の)指針を示したことで悪者扱いされるようになった。通常なら(保健当局は)地域社会からとても信頼されているのに」。

保健当局を攻撃している人々の言い分はこうだ。コロナの感染を広げるリスクを冒してでも経済活動は維持すべきだ、リスクに見合ったメリットがあるのに保健当局の警戒は行きすぎている──。陰謀論を持ち出す人々もいる。コロナはでっち上げでありワクチン開発は市民を監視する巨大な計画の一部、マスクやフェイスカバーの着用で個人の自由を切り崩そうとしている、というのである。

郊外の郡で新たに感染が広まっているワシントン州では、基本的な予防措置を講じるよう住民に注意を促している。だが、こうした注意喚起を行う地元の保健担当者は、憎悪や脅迫の標的にされることが少なくない。

ヤキマ郡の人口当たりの感染者数は、大都市シアトルのあるキング郡の6倍を超え、病院がパンク。患者が他地域の病院に回されるようになっている。ジェイ・インスリー知事は6月中旬、「はっきり言って、われわれは限界に達している」と警告し、感染拡大を遅らせるためにヤキマ郡の住民にフェイスカバーの着用を義務付けることになると述べた。

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