液晶画面の見すぎ「肌によくない」という衝撃 抗酸化物質や日焼け止めなどの対抗手段も

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ブルーライトによるダメージを受けやすいのは色素の濃い肌だ。2010年に学術誌『ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー』に発表された研究によれば、色素の薄い肌が比較的、ブルーライトの影響を受けにくかったのに対し、色素が中程度から濃い肌では過剰な色素沈着が起きたという。

医学の世界では、紫外線への反応度に従って肌の色は区分される。タイプ1は、最も紫外線への感受性が高い色素の薄い肌だ。「ニコール・キッドマンや(コメディアンの)コナン・オブライエンに該当するだろう」と語るのは、マサチューセッツ総合病院皮膚科レーザー・美容センター長(ボストン)のマシュー・エイブラムだ。区分は最も色素が多くほとんど日焼けしないタイプ6まである。

前述の2010年の研究では、タイプ2の肌はブルーライトに当たっても色素沈着が起きなかったという。ただし肌の色は濃くなり、2~3週間残ったという。

「色素の薄い肌とは異なる反応をするタイプ4~6の皮膚には、色素沈着と関連する何かがある」と、エイブラムは言う。「この点を調べるもっと規模の大きな研究が行われるべきだ。色素沈着は患者にとって最大の心配事の1つであり、治療に対する患者の満足度が低い分野でもある」。

──ブルーライトはニキビ治療に使われるのでは?

ブルーライトの照射がニキビや前がん性病変の治療に使われているのは事実だ。「ブルーライトは皮膚にダメージを与える一方で、ニキビを治療する効果もある」とエイブラムは言う。「気分や記憶力を上げるのにも役立つ。いいとか悪いとか一概に言えるものではないのだ」。

──肌へのダメージを防ぐにはどうしたらいいか

最も簡単なのは、使っている機器から発せられるブルーライトの量を減らすことだ。アップルの製品であれば、画面を暖かみのある色にできる「ナイトシフト」機能がついている。LED電球はブルーライトの照射量の少ないタイプのものに取り替えよう。

酸化鉄を含むミネラル成分の日焼け止めはブルーライトから肌を守る最大の武器だ。酸化亜鉛や酸化チタンだけよりも、酸化鉄を使ったほうが可視光線から肌を保護する効果が高くなることが知られている。

「いいことを教えよう。色つきの日焼け止めならたいてい酸化鉄が含まれている」とヘンリーは言う。

抗酸化物質を局所的に使うのも、ブルーライトが作り出すフリーラジカルを抑え込むのに役立つはずだが、科学的には完全には証明されていない。

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