液晶画面の見すぎ「肌によくない」という衝撃 抗酸化物質や日焼け止めなどの対抗手段も

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「純粋に科学的な視点から言えば、抗酸化物質を薦めることはできない」と語るのは、日本医科大学のアレクサンダー・ウォルフ講師だ。ウォルフは光と酸化ストレスが引き起こす老化に関する専門家だ。

「だが培養された細胞では抗酸化物質がうまく働くことを示す実験結果がたくさんあるのも確かだ。ビタミンCは直接細胞に入り込む。その細胞に酸化ダメージを与えると、ビタミンCなどの抗酸化物質は間違いなく効果を発揮する」

「だが細胞の入ったシャーレと皮膚は違う」とウォルフは付け加えた。

抗酸化物質の中ではビタミンCがオススメ

抗酸化物質の効果は期待できるけれど科学的に証明されてはいないという点を理解している限りにおいては、そして、家にいるのに日焼け止めを塗るのが嫌ならば、その代わりに抗酸化物質を使うのも悪くはない。

抗酸化物質には、LEDを使った家庭用のニキビ治療器による肌ダメージを最小限に食い止める効果も期待できる(この場合、日焼け止めを塗ったりすればブルーライトをブロックしてしまい、細菌を殺す効果も得られなくなってしまう)。

抗酸化物質の中ではビタミンCがオススメだ。分子の大きさが皮膚に浸透できるくらい小さいからだ。

αリポ酸がブルーライトから肌を守る効果についてはあまり世間では言われていないが、ウォルフはマウスの皮膚で酸化ストレスに対するαリポ酸の効果を研究、人間の皮膚でも効果が期待できると考えている。

「単なる抗酸化物質としての効果ではない」と彼は言う。「肌細胞に『あっ、酸化ストレスが来た』と思い込ませ、肌細胞が持つ自然の防御力を活性化する。すると細胞は自らの防御メカニズムを高めるというわけだ。私の思うに、それは自分自身を守るとても巧みなやり方だ」。

ブルーライトを巡る議論の中には、置き去りにされがちだが重要な事実がある。それは、太陽こそが最も強力なブルーライトの発生源だということだ。

「瞳孔が調整するせいで、人間の目は明るさを測るのが得意ではない」とウォルフは言う。「タブレットやスマートフォンをまぶしく感じるかもしれないが、肌に届く光の量に関して言えば非常に弱い。とくに太陽と比べた場合はそうだ」。

要するに、ブルーライトを浴びている量はコロナ禍以前の生活と比べると減っているかもしれないということだ。屋外で過ごす時間が減ったという単純な理由によって。

(執筆:Crystal Martin記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2020 New York Times News Service

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