新型N700S、リニア暗雲吹き飛ばす颯爽デビュー

抜群の安全対策で東海道新幹線の主役を張る

7月1日に行われたN700S「のぞみ1号」(右)の出発式(撮影:尾形文繁)

7月1日朝6時。東京駅を博多に向け出発した「のぞみ1号」の車両は通常と少し異なっていた。白い車体側面に大きく描かれているのは青地の「A」ではなく、金色に輝く「S」の文字。JR東海の新型新幹線「N700S」が営業列車としてこの日デビュー。のぞみ1号の出発に先立ち「N700S出発式」が東京駅で行われた。

新型コロナウイルスがいまだ収束せず、新幹線の乗車率は激しく落ち込んでいる。しかし、のぞみ1号に限っては窓側の席は予約でほぼ埋まっている。現状を考えれば高い乗車率といってよい。

のぞみ1号の出発後、JR東海の金子慎社長は報道陣に対し、「快適な乗り心地をご満足いただきたい」と述べた。こまめに清掃を行い、乗客にマスク着用を呼びかけるなどコロナ対策には万全を期しているという。

N700S投入で何が変わる?

過去をさかのぼると、1992年に300系、1999年に700系、2007年にN700系、2013年にN700AがJR東海の新型新幹線の営業列車としてデビューしている。今回のN700SはN700Aから7年ぶりの新型新幹線ということになる。

7月1日時点で4編成のN700Sが導入された。2022年度までに40編成を増備する計画だ。この数字はJR東海の保有する新幹線の3割に相当する。おそらくその後もN700Sの導入は続き、N700系からの置き換えを進めていくことになるはずだ。

側面には金色に輝く「N700 Supreme」のロゴが入る(撮影:梅谷秀司)

このペースで進めば、10年後くらいには全車両がN700Sに置き換わっていることになる。そのときの新幹線のダイヤはどのように変わっているか。N700Sの「生みの親」として開発を陣頭指揮し、現在は総合技術本部副本部長を務める上野雅之氏は、「輸送性能面においてN700SはN700Aタイプと同じ性能である」とした上で、「セキュリティ面などさまざまな面で最新の技術を備えているので、編成数が増えることで新幹線の輸送をどのように改革できるのかを検討していく」と話す。現在はのぞみを1時間12本運行可能な「のぞみ12本ダイヤ」の体制を構築しているが、本数をさらに増やすことができるか。あるいは、速度向上の可能性もあるのか。将来が楽しみだ。

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