天馬の常務が反論「元名誉会長が秩序を乱した」 収納ケース「Fits」の会社で委任状争奪戦
――監査等委員会は、金田常務と須藤隆志取締役が取締役候補として不適切だと意見しています。その理由として、法務IR担当とCFO(最高財務責任者)だった2人が、経費処理を工夫することでベトナムでの贈賄を正当化しようとしたことを挙げています。
監査等委員会の意見は真摯に受け止めないといけない。ただ、私たちは不正を隠蔽しようとしたのではない。隠蔽と真逆で、会社を自浄させる方向で走っていた。
昨年10月の役員報告会(社外取締役の監査等委員を意図的に除いて開催)で、ベトナム子会社が現地公務員に現金を渡していたという情報が共有された。ベトナムでは道ばたで領収書を売っているので、それを大量に使って消耗品を買ったことにし経理処理していくと報告された。だが、「そのような処理はダメだ」という議論もなく役員報告会は終わった。
しかし、さすがにそれはまずいと思って、須藤取締役と一緒に顧問弁護士へ相談に行った。その際、コンサルティング会社を介することによって適法にできる仕組みについてアドバイスをもらった。その仕組みを使っても違法行為に当たると後に指摘されるわけだが、隠蔽しようとしたのではない。
それに、監査等委員会における意見形成の過程には不透明な部分がある。強硬に見える形で意見が決まっているのは残念に思う。
ISSの判断は残念
――現取締役会の見解として、監査等委員会の中でも意見が割れていたこと、司氏の影響力が監査等委員にも及んでいることを指摘していますね。議決権行使助言会社のISSが、金田常務と須藤取締役の再任に「反対」するよう機関投資家に推奨していることについてはいかがですか。
どう判断されたのかはわからないので、残念としかいいようがない。
――創業家出身として社長になりたいとの思いはやはりあるのでしょうか。
社長になるのが当たり前といった考えはこれっぽっちもない。もしそのときが来るなら天馬の発展に役立ちたいという気持ちはあったが、「まさかこのタイミングで」という思いだ。葛藤も多いが、早く融和して天馬を平時の状態に戻すことが私の責務だと思っている。
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