大戸屋がコロワイドの株主提案に猛反対する訳

窪田社長が激白「委任状争奪戦でも勝てる」

大戸屋の窪田健一社長。コロワイドの株主提案に反対の姿勢を明確にした(記者撮影)
定食チェーン「大戸屋」を国内外に463店舗展開する大戸屋ホールディングスが、窮地に立たされている。同社の株を約20%保有する筆頭株主であり、「牛角」や「かっぱ寿司」を運営するコロワイドから、経営陣の刷新を求める株主提案を受けているからだ。
コロワイドは、大戸屋の特徴である「店内調理」をやめ、コロワイドの持つセントラルキッチンで調理して各店舗に運ぶことで、効率的な経営や商品の値下げを実現することを訴える。大戸屋ホールディングスの株式をさらに取得し、コロワイドの子会社として大戸屋を改革していく構えだ。
これに対し、大戸屋ホールディングスは猛反発。5月25日には東京都内で記者会見を開き、「コロワイドの株主提案の先に、大戸屋の未来がないことは断言できる」と反論した。コロワイド主導の改革に対し、なぜこれほど強硬に反対するのか。そして、大戸屋ホールディングス単独で経営を立て直すことはできるのか。窪田健一社長が単独インタビューに応じた。

創業家の株売却は寝耳に水だった

──コロワイドから株主提案を受けるまでに、どのような経緯があったのですか。

大戸屋ホールディングスの実質創業者で、2015年に亡くなった三森久実氏の妻と長男である三森三枝子・智仁の両氏から、2018年8月と2019年3月の2度にわたって、保有株を自己株買いとして買い取ってくれないかとの話があった。

ところが、2019年4月になって突然、証券会社を通じて他社に売却する意向だと伝えられた。まさに寝耳に水の出来事だった。智仁氏から預かったという売却先の候補リスト約10社のロゴを提示され、「どこに売ったらいいか選んでくれ」と迫られたのだ。その中にはコロワイドのロゴもあった。とはいえ、お二人が保有する株なので、その際は「われわれが選ぶわけにはいきません」と断った。

すると8月に智仁氏から、保有株をコロワイドに売却する旨の通告があった。その頃は、コロワイドのことをよく知らなかったので、「どんな会社だろう」というのが正直な印象だった。

──その後2人がコロワイドに保有株を売却、筆頭株主がコロワイドになって、最初は業務提携を持ちかけられたそうですね。

そうだ。同業同士で相乗効果があればと思い、協議に応じようとした。ただ、秘密保持契約を結ばなければ、業務提携に向けた話し合いができないと考えて提案したが、拒否されてしまった。

その後、何度か話し合いを重ねたのだが、コロワイド側が突然、「業務提携ができないのなら、子会社化(M&A)する前提になる」と態度を硬化させてきた。業務提携にしてもM&Aにしても、お互いのことをよく知らなければ効果は期待できないのではないかと伝えたところ、いきなり株主提案という暴挙に出られて驚いたというのが真相だ。

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