今回のアメリカ市場では、主にナスダック指数に含まれるようなハイテク、IT関連株が軒並み急落しており、むしろアメリカの伝統的企業の株価は安定している。ただ、これまでの上昇をけん引してきたのがナスダック銘柄であり、それが下落するので多少影響が大きく出ている面は否めないでしょう。
「第2のリーマンショック」は、あながち冗談ではない
そしてその原因と思われるものが、実は大問題。「第2のリーマンショック」につながりかねないといったらみなさん、驚きますでしょうか?でも、あながち冗談でもないのですよ。
2000年代のテックバブル崩壊は「ただ、バリュエーション的に行き過ぎた結果だった」のに比べると、今回の問題はちょっと厄介。一言でいうと、「資本をとりまく需給の乱れ」、ということになりますでしょうか。
このところ、IPO(新規株式公開)や新株式を発行してくるIT企業のファイナンスを見ていると、これまでの伝統的な資本市場で行われてきたものを根本的に否定するようなものが相次いでいるのです。
普通株1株には必ず一つの議決権が与えられる、というのがこれまでの常識です。従ってIPOをしたり、新株を発行して株数を増やすことで大量の資本を調達できるというメリットがある一方、既存株主である創業者や経営者は他の株主が増えるために支配権を失っていきます。
これまでわがまま放題ができた創業者などが他の株主に考慮して、より民主的な手続きを設定するなどして、いわゆるコーポレートガバナンスが強化されていく、というのが特にIPOにおいては「企業が1ランクアップする、重要なステップ」だったわけです。
ところが、この当たり前の原則がこのところ変調をきたしているのです。
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