最近よく聞く「バーチャル留学」試す価値あり? コロナ禍で渡航を断念した学生に朗報なのか

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学生の評価は上々のようです。

「新型コロナの影響で早期帰国になってしまいましたが、思いもよらない形で留学が続けられてうれしいです」(女子大生。留学の代替授業として受けたあと、日本で追加延長)
「先生もクラスメートもいろいろな国の人がいて、インターナショナルな感じで気分が上がった」(社会人男性)

課外活動まで展開するサービスも

グローバルな語学学校グループであるKAPLANも、「K+LIVE」というバーチャル英語コースを実施しています。ECバーチャルと違うのは、最近日本でもよく使われている「Zoom」を授業のプラットフォームとして使っている点です。

週15時間の一般英語コース、週21時間の集中コースというメインの授業に加え、予習・復習ができる「K+オンライン」や、「オンライン・ソーシャルプログラム」というアクティビティがあります。これは料理教室、映画鑑賞会、カラオケ、クイズなどをインターナショナルな生徒同士で参加するものです。

KAPLANのアクティビティの様子(写真提供:KAPLAN)

授業に参加してみると、クラスの雰囲気はアットホームで、どことなく連帯感すら感じるものがありました。先生もオンライン授業に慣れているようで、ブレイクアウトルーム(小さなグループ)でのフォローや、全体のファシリテーション(相互理解のサポート)もスムーズに感じました。

参加者の声からは、バーチャルクラスの良い点や課題が見えてきます。

「初めて参加しましたが、講師の配慮があり、授業に入りやすいと感じました。またクラスがとてもアットホームで、自然にクラスに打ち解けられる雰囲気でした。他国籍の人たちと英語が勉強できる環境なので、刺激を受けました。ただ、カメラに顔を出さない人もいて、相手が見えないことで不便を感じた点がありました」(女性)
「自宅からさまざまな国籍の学生と英語の勉強と交流ができて、楽しかったです。リスニングとスピーキングのクラスに参加したところ、文法の説明や参加者全員による単語の発音練習などがあり、勉強になりました。ただ、10人のクラスだったのですが、少し人数が多い印象を受けました。受講者一人ひとりの発言の時間が少なかったです」(女性)

2社のサービスに参加して感じたのは、オンライン授業の場合、リアルの授業以上にファシリテーターとしての講師の役割が重要だということ。講師が十分な役割を果たさないと、自発的に話すのが苦手な日本人学生は孤立してしまい、長続きしないことが懸念されます。

もう1点は、ベースとなるオンライン教育メソッドがきちんと確立している学校を選ぶことです。今や、ほとんどすべての学校がオンライン化に切り替えています。なかには単純にリアルからオンラインに変えただけの学校もあります。こうしたサービスには注意が必要です。

授業料もリアルの授業に比べ、比較的リーズナブルなのですが、相性もあると思います。トライアルレッスンを受けてみることをおすすめします。

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