仰天!市役所に「女子高生だけの課」が誕生
眼鏡日本一、福井・鯖江市が変える「まちづくり」

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鯖江市が、一見奇抜に見えるプロジェクトに乗り出した背景には、「いまの社会の価値観や常識を変えていかなければ、この国は持たない」「現在の人口減少社会で、特に若い女性が地域に残るための施策を講じていかなければ、まちそのものが消滅する」という強い危機感がある。実は、全国の多くの自治体も、多かれ少なかれ同じような状況に置かれている。

市は、女子高生が自らまちづくりに関わることで、故郷に対する思いや自信を持ってもらうとともに、彼女たちの活躍が、若い世代や女性の社会参加を促す効果を期待している。

新しい自治体モデルを作る壮大な実験

とはいうものの、このプロジェクトが表面化すると、賛否両論が巻き起こったのも事実だ。市役所には心配の声が多数寄せられたほか、ネット上では、かなり厳しい意見があったという。そのため、市民を対象にした説明会を開催したり、学校を訪問して活動の目的や目指す姿などを丁寧に説明して、理解してもらうことに全力を注いだ。市も女性職員のみのサポートチームを結成し、メンバーの女子高生が不安なく活動できる体制を整えた。

牧野市長は、「このプロジェクトは、新しい自治体モデルを作る壮大な実験」と強調する。大人の視点ではなく、女子高生の視点で考え、動いてもらうということに意味がある。そこから生まれてくるものは「新しい何か」(若新氏)であり、それはイメージすることが難しいものだという。だから、この活動の期限は決めておらず、「地域になじむまで」(牧野市長)続けていく方針だ。

全国から注目を集めそうな「JK課」プロジェクト。成功のカギは「大人の思考の枠、つまり大人が超えられなかった壁をJKが越えられるかどうか」(市と包括的連携協定を結んでいる、福井大学産学官連携本部の竹本拓治准教授)にかかっている。

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加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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