アメリカの株式市場は再び暴落する懸念がある

5月雇用統計「超サプライズ」に潜む数字の罠

今回はこのうち、家計調査に新型コロナウイルス感染拡大の影響がより大きく出た模様だ。労働省によると、5月は調査が行われる毎月12日を含む週に、聞き取り調査の拠点となるオフィスのうち、少なくとも4カ所がコロナの影響で閉鎖となり、職員はテレワークによって調査を行ったという。また家計調査は電話による調査と、面談による調査の2本立てで行われるが、感染拡大のリスクを考慮して、今回は全てを電話による調査にしたという。

問題が生じたのは、その人の雇用状況を就業者、失業者のどちらにするかという、分類方法の部分だ。調査対象週となった5月10日から16日の週には、「その時点で仕事は行っていないものの、将来的に職への復帰を待っている」という状態の人が多く見られた。

本当の失業率は「16%超」だった?

だが、3月や4月の調査ではこうした人々が「失業者」に分類されていたのに対し、5月は「就業中ながら何らかの理由で一時的に職から離れている」という状態(employed but absent from work)に分類されたという。こうした分類は従来、バケーションや一時的な健康問題、妊娠・出産、ストなどの労使問題などが主な問題となっていたが、5月には「その他」という理由が突出している。

具体的に言うと、この分野全体の数字は835万人と、前年2019年5月の424.9万人から急増。中でも「その他の理由」とした人は544.8万人と、前年の48.4万人から500万人近くも増加している。

つまりは3月や4月の調査では失業者に分類されていたこうした人々が、5月は就業者に「逆戻り」し、しかもその数が500万人近くに上った可能性がある、ということになる。

なぜ労働省はこうした分類上の「間違った変更」(労働省の発表でも、“misclassification error”と、エラーであることがはっきり示されている)が起こったのかを調査中としている。

 一方では、同省はデータの完全性(integrity)を維持するために今回はこのデータを受け入れ、そのまま発表することにしたことも明らかにしている。分類方法に間違い(error)があったにもかかわらず、それをそのまま発表したことに政治的な意図はなかったのか、疑問に残るところではある。

それはともかく、少なくとも、このような人々が4月までのように失業者として分類された場合、失業率は発表された13.26%よりも、およそ3%上昇していたという試算も同時に示されていたことは、しっかりと頭に入れておく必要があるだろう。確かに、それでも「19%超」の事前予想は下回る。だが実際の失業率は16%を超えていた可能性が高いということになる。

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