積極投資が無駄に?「曲がり角」の鉄道会社経営 コロナ禍後の通勤・通学、観光需要はどうなる

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鉄道各社はこれまで中長期的な経営戦略に基づいて設備投資をしてきた。東急田園都市線では2020系(左)への置き換えが進められている(筆者撮影)

2020年初頭より始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、収束に向けてようやく明るい兆しも見え、非常事態宣言も解除された。しかしまだ、予断は許されない。

こうした状況に対応して人的接触を低減するため、経済界が打ち出し推奨した働き方が、リモートワーク、在宅ワークなどと呼ばれる、事務所などへ出社せず、インターネットなどを活用して行う自宅勤務の形態だ。

実際にリモートワークを実施、あるいは実施を計画している企業の割合は、調査によってさまざまである。製造業のようにリモートワークに馴染まない業種もあれば、対人接客が必要な飲食などのサービス業のように、主に「休業」という手段を取った業種もある。だが、可能かどうかの検討は多くの企業で行われ、実施されたであろう。一方、小中高をはじめ各種学校も臨時に休校し、授業を遠隔で行う対応も盛んに取られた。

リモートワークが一気に浸透

さらに、公共交通機関の混雑が感染症拡大を助長しかねないとのおそれもあり、その結果、鉄道界に生じたのが、「ラッシュアワーの消失」である。これまでの混雑からすると考えられないような朝夕の列車の閑散ぶりが、SNSやマスコミで伝えられた。

また、不要不急の外出の自粛要請や、都道府県境をまたぐ移動の自粛要請により、長距離客が激減。数えるほどしか利用客がいない新幹線の様子も盛んにメディアに流された。

6月に入り、次第に普段の生活が取り戻され、鉄道の混雑も再び見られるようになってきた。しかしその一方で、一度、体験してしまうと、「リモートワークで十分、仕事ができるのではないか?」との思いを抱くようになった会社員も多いだろう。「ラッシュにもまれ、都心の会社と自宅を行き来する時間は、ひょっとして”無駄”ではなかったのか」との疑問も生じて当然だ。

実際に、今後ともリモートワーク導入を推進する企業は多いと聞く。事務所経費や交通費の削減につながるから、この傾向が止まらないだろう。また、感染防止の観点から、リモートワークと合わせて時差出勤、隔日出勤なども採り入れられている。

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